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知らなかったビックリする盲腸の「虫垂」のこと

ダーウィンの痕跡器官

チャ-ㇽズ・ダーウィン(1809年2月12日 – 1882年4月19日)が、その「人間の由来」のなかの「痕跡器官」についての論考で、ヒトの虫垂は他の動物のそれと比べてサイズが小さいことからヒトの食生活の変化にともなって退化した痕跡器官ではないかと述べている。

これに対する反論もほとんどなく虫垂が痕跡器官だという説が、100年間も続いてしまった

ダーウィン

 

虫垂はなんの役のも立たず、それどころかときどきトラブル起こしていたので人々の思い込みを強くし、医学会もそのように誤解していた。

1950年代には先進国で虫垂切除術が外科手術の代表となり、いつの時点かでは虫垂手術をした男性は八人に一人女性では四人に一人というほど増えた時代もあった。

 

盲腸と虫垂

子どもの頃の記憶で、当時は虫垂炎のことをただの「盲腸」といっていた、クラスで数人が手術をしたことを覚えています。

大腸の入り口に、テニスボール大の盲腸があり、消化管の微生物共同体の心臓部です。
その盲腸から垂れ下がっている虫垂は長さは2㎝~25㎝(かなり開きがある)で、直径は約1㎝です。

その虫垂が残っている二つの説がある

  • 虫垂炎は環境変化などのせいで最近になって出現した病状だとする考えかた。
  • 虫垂には虫垂炎のリスクを上回る健康上の利益があるとする考え方。

前者の考え方であれば、昔は虫垂炎が起こらなかったから、有益でも有害でもないのでそのまま残った
後者は、自然選択は虫垂を積極的に残していることになり、健康上の利益とは何かが問題

実は、虫垂の管状の中身にあるのは、しなびた見た目とは段違いに内側には特殊化した免疫細胞と分子がぎっしり詰まっているのです。

虫垂は、消化管を通過する食べ物の流れにじゃまされない位置にあり、免疫系に必須の部位で微生物共同体を守り、育て、情報を伝達しあっている。

虫垂の中で微生物はバイオフィルム(たがいに支え合い、有害な細菌を侵入させないように守る層のこと)を形成している。

決して、役に立たないものではないのです。体内の隠れ家として存在しているようです。

虫垂に隠れている微生物は消化管に危機が生じたときも守られています。
食中毒や感染症などで荒らされた消化管は、その後、虫垂に隠れていた微生物でふたたび満たされる


先進国と後進国の感染症

赤痢やコレラ、ジアルジア症(ジアルジア感染によって引き起こされる下痢性疾患)などの消化管感染症が先進国ではほぼ消滅したのは、ここ数十年のことです。

下水処理施設

 

先進国では下水設備や水処理などの公衆衛生対策が感染症などを防いできたが、ただ、いまだに地球の全体では、子どもの死因の原因の5件に1件は感染性下痢症です。
死なずに生きのびたときは、虫垂のおかげで回復が早まるから。

虫垂炎は19世紀末から急増している、その原因は諸説あるが、食事で食物繊維の摂取が少なくなったことが最大の原因ではないかと意見が一致している。

微生物こそ大事

現代の先進国でも、少なくとも成人になるまで虫垂は残しておいたほうが良いことが分かっている。

それは、再発性の消化管感染症や免疫機能障害、血液のがん、一部の自己免疫疾患、心臓発作まで予防をしてくれるからです。

虫垂が無駄な器官ではなかったことは、私たちの体にとって微生物という細菌がなくてはならない特別な存在だということです。

微生物はヒトの腸のために尽し、ヒトの腸は微生物のために尽くす」と言われています。

食物繊維を意識して食べ、微生物を元気にして免疫力をあげ、健康的な生活を送りましょう。

 

参考:あなたの体は9割が細菌(アランナ・コリン著)

 

 

 

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