しっかり目を開けて夢を見よう

「日本昔話」を読み聞かせ、子どもを明るく元気に

昔話は、創作の小説の類とはまったく異なりヨーロッパやアジアの昔話とよく似ていることが分かる。

昔話は一般の民衆が生活の中から見出した口伝えで伝えてきた架空(フィクション)の物語です。

昔話の起源

昔話の起源は古く、文献の例から考えても数千年の歴史があるといわれている。
例えば、「猿の生き胆」や「鼠の婿選び」などとよく似た話は、約2千年前のインドの古典「パンチャタントラ」に収めれている

古い昔の人たちが、人から人に伝えられながら、創り直し、育ててきたのです。
そのために、必要のない部分は削られ、人間の生活の中で真に精神の糧となる本体だけが、現代の世の中まで伝えられてきた。

同時に、昔話の中のメッセージをわかりやすく、楽しく、浸透させていく形を持ったことによって、民衆の文芸とまで言われるほどなのです。

不思議な力を持つ

不思議な力を持つ昔話は、幼児から老人まではばひろく、どんな知的なレベルの人でも生き生きと享受できる、驚くべきパワーを秘めた芸術です。

子供たちは、大人が思っている以上に、人生について考えているといわれます。

人はなんのために生きるのか」「自分は親に愛されているのか、愛されていないのか」「兄弟の優劣、差別化」など、大人の想像以上です。

桃太郎

励ましてくれる昔ばなし

継子話」の主人公のように今は不幸でもいつかは幸せになれると励ましてくれる。
ふつうの童話には病気や死があまり出てきませんが、昔話では、しばしば主人公が苦境に追い込まれたりするが、そんなとき必ず助けてくれる人が現れたり、魔法の品が主人公の役に立ち、幸せに導いてくれる。死んだ人がよみがえることもある。

落ち込んでいる子供や、不幸な境遇にいる子供、将来に不安を抱いている子供に対して昔話は、

  • 世の中は案外うまくいくかもしれない。
  • 生きていればきっと良いことがある。
  • つき」のある主人公の話を聞き頭の中に成功回路が刷り込まれます。
    と感じさせ、人間についての理解を助け、人を励ます力があるのです。

そうなんです、昔話には人間像を語る文体があり、聞き手は、主人公と一緒に、驚き、よろこび、を共有体験しながら一つの人生の物語をいきていく。

繰り返し言葉

昔話には、くり返し副詞が、そこここに巧みに使われている。
桃が「ドンブリコンブリスッコンゴウ」と流れてくる。オヤーオヤーと泣く。

秋田県では「ドンブリコッコ、スッコッコ
長野県では「ゴックリゴックリ」流れてきて、プイコプイコと近よってくる。
青森県では「ホオギアホオギア」と泣く
など、くり返し副詞は、人や物の客観的な描写と、見ている人の心の動きを、たったその一言で語り分けている。

桃太郎は爺に木樵(きこり)に行くと言う。
爺は喜び、桃太郎は行く。
爺と婆は桃太郎の成長をよろこび、木樵りに行くようになったと言って、行く様子を見る。

このように、言葉と行動のくり返しは昔話の特徴です

 

三度のくり返し

昔話は三度のくり返しを好んで使われます。

桃太郎さん桃太郎さん、お腰のものはなんですりゃあ、こりゃ日本一のきび団子だ、一つ私にもくださいな。

そして、犬、サル、きじとの会話は、同じ会話が三度も繰り返されます。
この三度のくり返しは聞き手の記憶にしっかりと、とどまり伝承の中核になります

近年、心理学者によっていわれる、昔話は子供の悩みに応え、子供の心のひだに分け入って、なんらかの解決をあたえ、子供が生きる意味を見出せるように導てくれる
それは、大人にとっても魅力あるものといえる。

ストーリーテリング

最近は、ストーリーテリング(Story Telling)がボランティアなどで広がり昔話の伝播の輪が広がっています。ストーリーテリングとは、「物語を伝えること」です。

今の子供は、テレビやゲーム、コミック、携帯電話での友達とのコミュニケーション作りなどで味気のない日々を過ごしているのではないだろうか、ストーリーテリングを通して昔話を聞き、子どもの内面的な成長を助け、昔からの大切な文化遺産を継承していくように努めたいものです。

参考:日本昔話ハンドブック(稲田浩二、稲田和子編)

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