しっかり目を開けて夢を見よう

月にウサギがいるようになった夢多かりし”月見”

月にウサギがいる

月にはウサギがいると子供のころから聞かされていた。

確かに、お月様を見るとウサギがいる不思議に思いずいぶん長く眺めていたこともあった。

この伝承は日本だけでなくアジア各地で古くから言い伝えられていた。

月の中のウサギの横に見える影は中国では不老不死の薬の材料を手杵で打って粉にしているとされ、日本では餅をついている姿とされている。


お月見

月といえば「中秋の名月」ですね。

2022年の中秋の名月は9月10日です。

旧暦の8月15日の十五夜にお月見をする習わしです。

インドの仏典「ジャータカ」が原点ともいわれ、日本に渡来して日本最大の古代説話集「今昔物語集」にも収録され語り継がれてきた。

少し長くなりますが、内容は以下のようなものです。

今は昔、天竺に兎・狐・猿、三匹の獣がいました。
彼らは誠の心を起こして菩薩の修行をしていました。

「わたしたちは前世に深く重い罪を負い、賤しい獣として生を受けた。
これは前世に生きとし生ける者をあわれまず、財を惜しんで人に与えようとしなかったことの報いだ。
だからこの生では、身を捨てて善いことをしよう

3匹は最年長の者を親のように敬い、年長の者には兄のように接し、若い者を弟のように思って、自分よりほかの者を優先させました。

帝釈天はこれを見て、心を動かされました。

「彼らは獣だが、たいへんありがたい心を持っている。
人の身ながら、生ある者を殺し、財産を奪い、父母を殺し、兄弟を敵のように思い、笑顔で悪心を抱いたり、恋い慕っているように見えながら怒りを宿している者も多い。

しかし、このような獣が誠の心を抱いているとは思えない。
試してみよう」

帝釈天はたちまち老い疲れすべての能力を失ったような老人に姿を変え、3匹の獣のもとに現れました。

「私は年老い疲れどうしようもありません。私を養ってください。
私は子がなく、家がなく、食物もありません。
あなたたちは深いあわれみの心を持っていると聞きました」

3匹の獣はこれを聞いて、「わたしたちの望むところだ。すぐに養うことにしよう」と言いました。

猿は木に登り、クリ・カキ・ナシ・ナツメ・ミカン・コクハ・イチイ・ムベ・アケビなどを取り、また里に出ては、ウリ・ナス・ダイズ・アズキ・ササゲ・アワ・ヒエ・キビなどを取ってきて、好みに応じて食べさせました。

狐は墓小屋におもむき、供え物の餅やご飯、アワビやカツオや様々な魚を取ってきて思うままに食べさせました。

老人はすっかり満腹しました。

数日後、老人は言いました。

「猿と狐はたいへん深い心を持っている。すでに菩薩であると言ってもいいだろう」


ウサギ

兎は発奮し、灯をともし香をたいて、耳を高く腰を低くして、目を見開き前足は短く、尻の穴を大きく開いて、東西南北探し歩きましたが、ついに何も得ることができませんでした。

猿と狐、そして老人はあざ笑ったり辱めたり励ましたりしましたが、兎はやはり何も得られません。

「私は老人を養うために野山に行ったけれども、野山は恐ろしい。
人に殺され、獣に食われる危険もある。
無駄に命を落としてしまう可能性が高い。
ならば、今この身を捨てて老人の食物となり、この生を離れることにしよう」
兎は老人に言いました。

「今、おいしいものを持ってきます。木を拾って火をおこして待っていてください」

猿は木を拾ってきました。
狐はこれに火をつけて、兎が何か持ってくるかもしれないと待ちましたが、
兎は手ぶらで帰ってきました。

猿と狐は言いました。
「俺たちはおまえが何か持ってくるというので、準備して待っていた。
しかし、何もないではないか。
ウソをついて木を拾わせ、火をたかせて、自分が暖まろうとしているのだ。憎らしい」

兎は言いました。
「私は力が及ばず、食物を持ってくることができません。我が身を焼いて食べていただきます」

そう言って、火の中に入って焼け死にました。

このとき帝釈天はもとの姿に戻り、すべての人に見せるため、火に入った兎の形を月の中に移しました。

月の中に雲のようなものがあるのはこの兎が火に焼けた煙であり、「月の中に兎がいる」といわれるのはこの兎の形です。

すべての人は、月を見るごとにこの兎のことを思い出します。

引用:今昔物語集

この中に登場する人物は天体を示し、それぞれは「」(猿)・「(シリウス)」(狐)・「金星」(兎)・「太陽」(老人=帝釈天)であり、老人は光が弱々しくなった冬至前の太陽、帝釈天は光を取り戻した(=若返った)冬至後の太陽である、という説もある。

旧暦では7,8,9月を秋としていて、その真ん中の日の8月15日を「中秋」と呼びまたその晩に上がる月のことを「中秋の」と言っていました。


仲秋の名月

旧暦は毎月1日は新月でなければなりませんでした。

そのため毎月15日には満月か、ほぼ満月に近い月が見られ1ヵ月が29日ないし30日あったのです。
(月の満ち欠けの周期は29.5日)

中秋の名月の別称である十五夜(お月さま)もこの旧暦の頃の名残です。

また、初秋には台風や雨も多いですが徐々に空気も冷たくなってきて秋晴れが続きます。

空も高くなり月もきれいに見えるので中秋の名月と呼ばれるようになったということです。

子どもの頃、月にウサギが不思議でした旧暦には、それこそ今昔がいりまじっているように感じます。

そんな思いでこの満月をじっくりと眺めてみるのもいいですね。

参考:Wikipedia、

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