人が覚えていられる限界は3~5個「マジカルナンバー」
マジカルナンバーとは
「人間が瞬間的に記憶できる短期記憶の限界容量(数)」のことです。
アメリカの心理学者ジョージ・ミラー(George Miller)が提唱しました。
「不思議な数7±2」のことで、マジックナンバーとも呼ばれます。
しかし、その後、2001年にネルソン・コーワンにより、マジカルナンバー4が発表され ”4±1個”のチャンクであると発表され、現在では、ネルソン・コーワンの”4±1”が定説になっています。
短期記憶とは、
記銘後、数十秒から数十分という短時間保持される記憶。保持できる量は少ないが、この時間内では想起や復唱が可能。一般に7個程度の数や文字を記憶できることが知られている
引用:デジタル大辞泉
ここからは、4±1 を定説としてマジカルナンバー4で勧めることにします。
4±1が不思議な数なのか、なぜマジカルナンバーと呼ばれているのか
それは、4±1が、情報の量ではなくチャンクだからです。
チャンクとは
人が効率よく物事を覚えるために意味がわかる情報のかたまりや単位のこと。
チャンクの例としては、電話番号がよく挙げられます。たとえば数字の羅列「0343215678」にハイフンを入れて「03-4321-5678」と表すと、ユーザーは市外局番と市内局番という意味的な塊(かたまり)を認識することができ、記憶しやすくなるのです。
マジカルナンバー7によれば、7±2のチャンク(情報のカタマリ)が、人間が短期記憶に置いておける情報の数です。つまり人間は同時に5〜9つの情報しか覚えていられない。
マジカルナンバー4では、4±1のチャンク、つまり3〜5つの情報が、人間が瞬時に記憶できる情報の限界とされています。
よく、お客さんに提案したり、プレゼンをするときは、3つに絞るといいといわれています。
日常でも、居酒屋に行き「今日のおすすめ」は、生イカ、お刺身3点盛、えだまめ、ダイコンサラダ、サバの半身焼き、つくねの串焼き、アスパラソテーといわれても、頭の中は「なんだなんだ」と混乱して停止ますね。
せっかくのおすすめも、これでは、再説明しなければいけなくなり、時間もかかりお店もお客側もお互いが損失につながります。
一度にたくさんの情報を与えてしまうと、短期記憶の限界を超えてしまい、ほとんど記憶できなくなります。
このおすすめもチャンク化して
- お刺身系:生イカ、お刺身3点盛
- サラダ系:ダイコンサラダ、えだまめ、アスパラソテー
- 焼き物系:サバの半身焼き、つくねの串焼き
このようにチャンク化して、おぼえやすいようになります。
4±1の使用例
Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズ。プレゼンの名手としても知られている彼のプレゼンは、ポイントが3つに絞られていることが多い。
iPhoneのプレゼンの例
- ワイド画面タッチ操作のiPod
- 革命的携帯電話
- 画期的ネット通信機器
3つのポイントを使う事は非常に多いです。
記憶力か集中力か
前述した、7±2の発表(1956年)から、45年後(2001年)の発表では、4±1で7から4に減ったのか。
これは、見た感じでは、記憶力の低下と感じられますが、実際にはそうではなく「集中力」だと考えられます。
昨今の情報量は劇的に増大し、日本人が1日に触れる情報量は、「平安時代の一生分」で、「江戸時代の1年分」とまで言われています。
電車の中を見渡せば分かるように、車内の人の 8、9割は携帯電話をいじっています。
毎日がこのように大量の情報を浴びせられると集中力が長続きしないで、いつも、どこか落ち着かず
ソワソワした状態になってしまうのではないでしょうか。
そういえば、日本も昔から「松・竹・梅」の3つの選択肢の方法がありましたね。
相手に選ばせたい選択肢は、真ん中に置くという事ですね、