梅雨入りと入梅の意味とその違い
「今年は梅雨入りが早そう」と毎年聞くセリフがニュース番組から聞こえています。
梅雨入り
この「梅雨入り」は、雨や曇りの日が続き、その後も同じようなジメジメとした天気が続くと予想されるときにその地域ごとに気象庁が発表するものです。
近年は、温暖化の影響ですか、しとしと雨ではなく激しく雷雨を伴う大雨が目立ちますね。
梅雨入りは沖縄地方を皮切りに北上していきますが、天気の状態で地域によって梅雨入りの日は差があります。
入梅
雑節のひとつの「入梅」は、暦の上で梅雨が始まる日とされています。
2022年の入梅はカレンダーで 6月11日(土曜日)に記載されています。
現行暦では太陽の黄経(太陽が天球上を通る経路)上で春分の日を0度とするとちょうど80度に達した日をもって入梅とし、太陽暦の 6月10日ごろにあたる。
この日から梅雨が始まるわけではなく、太陽の軌道で決められ、およそこのころから雨期に入り田植えなどの農作業を農家に注意を促すために記載される。
入梅とは逆に梅雨の明けるのを出梅(しゅつばい)というが、暦には記載されない。
梅雨
梅雨は、北からの冷たく湿った空気のオホーツク海気団と小笠原諸島付近の太平洋から流れてくる暖かい空気の小笠原気団がぶつかり、梅雨前線が発生します。
この梅雨前線はこの時期にあらわれる停滞前線のことで、動きは遅くほとんど動きがありません。
梅雨の語源
日本の雨季の「梅雨」の語源は、諸説あります。
- ちょうど梅が熟す頃に降る長雨だから
- 雨が降ってカビが生えやすいので黴雨と書いた(黴はカビのことで、「ばい」と読みます)しかし、「黴」は語感が悪いので「梅」に変わった。
- 中国で梅雨と書いていたので、それがそのまま伝わった
など、やはり梅が熟す頃・・・が本当のようですね。
読みかたは「つゆ」でも「ばいう」でもどちらでも構わないです。
ただ、「梅雨前線」は、 ”ばいうぜんせん” と読みます。
日本の梅雨と表現をしますが、北海道には梅雨はありません。
梅雨前線は、東北地方あたりに来る7月ごろは、南からの空気の力が強くなり消えてなくなるからです。
しとしとと続くうっとうしく感じる梅雨です。湿度が高くこの環境の変化はなかなかなじめませんね。
身体への不調をもたらす邪気(じゃき)となって不快感を増していきます。
湿気の多い梅雨時は「湿邪・しつじゃ」と呼び、「水滞(すいたい)」となり、不要な水分が体のいろいろな部位にとどまり様々な症状が現れます。
水滞の症状には、頭痛や頭重感、めまい、頻尿・膀胱炎、手足の冷え・むくみや重だるさなどがみられます。とくに胃腸などの消化器はもっとも「湿邪」におかされやすく、ここに「水」が滞った場合には、胃もたれや食欲不振、吐き気、下痢などの消化器症状がみられます。
とかく、氷の入った飲み物、冷たいビール、冷えたフルーツ、アイスクリームなど冷たいものを欲しがるこの季節ですがなるべく冷たいものは控えたいものです。
湿邪(水滞)予防に
ウォーキングなどの軽い運動、夏でも風呂の湯につかる(体を温める)、水分はこまめに少量ずつ飲む、暴飲暴食をつつしむ。
食べ物にも注意して、胃腸の動きを活発にするしそ、ねぎ、しょうが、三つ葉、トウガラシ、ニンニク、にらなどを常温で食べるようにする。
その他おすすめ食材は、、緑豆春雨、黒豆、西瓜、冬瓜、苦瓜、メロン、蛤、白菜、アスパラガス、きゅうり、高菜、とうもろこしのひげ、緑豆・小豆・インゲンマメなどの豆類、ハトムギ、とうもろこし、セロリなどです。
夏に向かうこの季節は、少し意識をした食材、運動、冷たい飲み物など胃腸に優しくすごしてみましょう。