世界初の発見「シジュウカラ語」と文章
散歩や歩いているときに都市型公園でも、ふと鳥の鳴き声が聞こえてきます。
耳をすますとかなりの種類の鳥の鳴き声が入り混じっていいるのに驚かされますね。
鳥の鳴き声
鳥の鳴き声には大きく分けると、地鳴きとさえずりの2種類に分かれます。
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地鳴き:日常的な鳴き声のことです。仲間との合図に使われていることも多く、警戒する鳴き声がすると上空に猛禽類がいることが多いので、警戒を促す鳴き声が聞こえたら、すかさず空を見上げてみましょう。
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さえずり:繁殖期に雄鳥が発する求愛の鳴き声のことです。また、繁殖に関連する縄張りの主張のために発する場合もあります。日本で見ることができる鳥の多くは、春から夏に繁殖期を迎えます。同じ鳥でも地鳴きとりさえずは異なります。
環境で変わる鳥の鳴き声
その鳥の鳴き声は、周囲の環境によってちがってくると、ライデン大学のスラベッコーン博士が発表した。
論文によると、シジュウカラは、交通騒音のある都市部では、近隣の森に棲む同じ種と比べて、短く速く高い音程で鳴いていたという。
似たような報告をベルリンのブラム博士もしていて、都市騒音の激しいところでは、小鳥たちが通常より大きい声で鳴いたり、何度も繰り返し鳴いたりするという。
縄張りを主張したり、異性を惹きつけたり、求愛や時には威嚇のためにとる鳥にとっては鳴き声はとても大事な手段です。
自分の鳴き声が周りの音に紛れて聞こえなくては、生きていくことさえ不可能だ。
木々が大きく育った深い森の中では低くゆったりとした音で鳴き、車の往来などで騒がしい中では早く繰り返す音が良く通るそうです。
なので、森のミミズクは「ホーッ」と鳴き、ひばりは「ピーチク パーチク」鳴くのでしょう。
それゆえに、何種類もの鳥が共存している環境では、その鳥たちがかぶらないように鳴くこともできるのです。
スズメやウグイス、トンビやカスケ、など高く、低く、長く、短く、鳥たちはうまいこと鳴き分けている。
しかし、現代では道路を往来する車の音や工場から発せられる独特な人工音など想定外の音がその周辺に入り込んでいる。
環境に適応できる鳥ならいいけど、適応ができないとりたちは鳴き声をかき消されてしまい、姿を消すしかないのです。
シジュウカラの言葉
最近、シジューカラの鳴き声を「言葉」を操る能力があると科学的に証明されたのです。
ちょっと、うれしいニュースで夢がありますね。
世界で初めて解き明かしたのは、動物行動学者の鈴木俊貴さん(京都大学白眉センター特定助教)。
鈴木教授は16年に渡り、軽井沢の森の中でシジュウカラの鳴き声を研究。
それが「言葉」であることを証明するため、自ら実験を考案し、ユニークな論文を発表してきました。
巣箱で子育て中のメスが『チリリリリ(おなかがすいたよ)』と鳴くと、オスは『ツピー(そばにいるよ)』と答えて食べ物を持ってくる。天敵を指す言葉は、その対象ごとに『ヒーヒーヒー(タカ)』、『ピーツピ(カラス)』『ジャージャー(ヘビ)』と、ちゃんと使い分けているという。
その研究内容は、今や中学校の国語の教科書にも掲載されるほどです。
軽井沢の森の中で、長い時には1日14時間、何年にもわたり観察をしてきた鈴木教授。
シジュウカラが、他の鳥に比べても沢山の種類の鳴き声を持ち、しかもそれらを状況によって使い分けていることに気がつきました。
これは単語や文章を操ってコミュニケーションを取っているに違いないと考え、その証明に挑む決意をしたといいます。
鈴木教授は、「(1)見せる」、「(2)聞かせる」、「(3)サーチイメージ」という3段階の実験を考案し、実験を繰り返したっそうです。
さらに鈴木教授は、シジュウカラが「単語」だけではなく、なんと「文章」を作れることまで発見しました
くわしくは、こちらをご覧ください。 NHK
シジュユーカラだけではなく、他の鳥や動物たちも、もしかしたら言葉を交わしているのかもしれませんね。
参考:ざつがくどっとこむ、TRAVEL GALLERY、NHK