生物多様性は生き物の命のつながりの豊かさのこと

生物多様性とは
生物多様性(Biological Diversity)とは簡単に言うと地球上にバラエティな生物が存在していること。
つまり、複雑で多様な生態系そのものを示す言葉です。
しかし、近年は自然環境の悪化に伴いこの生物の多様性が、これまでにない早さで刻一刻と失われつつあります。
あなたは、絶滅のおそれのある動植物をリスト化した「レッドリスト」を見聞きしたことがあると思うけど。
地球上の生命、その中にはヒトやトラやパンダ、イネやコムギ、大腸菌などさまざまなバクテリアまで、多様な姿の生物が含まれています。

絶滅危惧種のトラ
これらの生きものはどれを取ってみても、自分一人、ただ一種だけで生きていくことはできません。
多くの生命は、他のたくさんの生物と直接的に、間接的にかかわり、初めて生きていくことができるのです。
地球の46億年の歴史のなかで、地球上には3,000万種の生き物が生まれたと言われてます。
1日200種の生物が絶滅
アメリカ国務省が発行した「特別調査報告書」によると、19世紀末までは4年間に1種の絶滅スピードだったのが現在は1時間に8種の生物が失われているという。
熱帯雨林の破壊が主な原因といわれている。もしこの説が正しいとすれば、地球は今、6,500年前の恐竜大絶滅以来の最も激しい種の大量絶滅に直面していることになる。
地球上で飢えに苦しむ人は2019年に6億9000万人に上り、この5年間で、5,000万人増加していると推定されている。
生態系は多様で複雑で、一説によるとチョウやハチなどの花粉を運ぶ虫がいなくなると、農産物の生産高が2,000億ドル以上減少するとの試算もある。
生物多様性が失われるということは、私達人間の暮らしも危ぶまれるということなのです。
きれいな空気を呼吸するためには、光合成をする植物が必要です。
体の中には、大腸菌などがいてくれないと、生きていけません。
海や森からの恵み、清浄な水、土の力、安定した気候、全てが「生物多様性」の恩恵として、もたらされています。
生物多様性を脅かしているもの
生物多様性が脅かされている原因には4つあるとされている。
- 開発や乱獲による種の減少・絶滅、生息地の減少。
- 里地や里山の手入れ不足による自然の質の低下。
- 外来種などの持ち込みによる生態系への影響。
- 地球環境による変化。

綺麗な地球
生物多様性を守り育てる
私たちが小さな一歩として行うことは地球の生物多様性を知り、家族や友人と話し合い理解し、自然とのつながりを考える。
そして、生活で利用しているものが、どのようにしてどこでどのように作られたのか関心を持つ。
もし、その製品が自然を破壊して作られたり、加工の段階で環境を汚染したりしているものだった場合、その製品を買うか利用するか考える。林業者や漁業者が、環境保全と資源を使い尽くさぬよう配慮して生産した木材やシーフードにはラベルがついているか注意する。
木材や紙についてはFSC(森林管理協議会)が、シーフードについては(海洋管理協議会)が、それぞれ一目でわかるラベルを貼り社会的な仕組みとして推進している。

海のエコラベル

ascエコラベル

FSCエコラベル
日本では、猛暑、豪雨、強風被害などいままで経験したことがない異常気象に遭遇してます。
こうした災害は今、世界の各地でも同様に生じ、深刻な被害をもたらしていますが、これらは地球温暖化の影響により頻度が増えたり、強力になっているといわれています。
あらためて私たち人間も生物だということを認識し、深くかかわりあい、やれることを明確にしましょう。
また、次世代につなげるように、環境に配慮した製品の選択や、過剰な利用、ゴミの廃棄の見直しなどを実践していきましょう。
毎年5月22日は、国連が定めた「国際生物多様性の日」です
日本をはじめ、5月22日を中心に生物多様性を感じ、学び、行動するイベントが世界各地で開催されます。
参考:ELEMINIST、IDEAS FOR GOOD、WWWF JAPAN、