記憶力がよくなる自己参照効果
自己参照効果
自己参照効果とは、
何事も自分に絡めた方が記憶しやすくなることです。
突然ですが、あなたのお友達を10人を思いだしてください。
そして、その中の友達の誕生日を正確に言ってみてください。
何人の友達の誕生日を言えましたか?
「意外な人のことを思い出したり、逆によく合っている友達の誕生日がわからなかったり」しませんでしたか。
実は、そのことは「自分の誕生日と近いかどうか」という点で変わってくるのです。
たとえば、あなたが7月生まれであれば、自分と同じ7月生まれの人、もしくは6月や8月生まれの友達の誕生日は比較的記憶に残ります。
しかし、1月や12月生まれのように、誕生月が遠く離れているいる友達の誕生日は、なかなか覚えることができません。
確かに、友達の誕生日を覚えている人は自分と同じ誕生月の人です。
心理学ではこのようなことを「自己参照効果」と言います。
記憶に残る・残らない
自分ととても近いとか自分に関連しているものであればスーッと頭に入ってきて記憶にもバッチリ残るのです。
が、
自分とはかけ離れたものや自分との関連性が薄いことは、なかなか記憶に残らないものです。
実験その1
アリゾナ大学で、脳損傷の患者さんと健康体の男女を対象に実験をおこないました。
全員に下記のような5パターンを使って、24種類の形容詞(優しい、美しいなど)を記憶してもらった。
- リズムにのせて形容詞を覚える
- 形容詞の意味をじっくり考えて覚える
- 形容詞の意味を自分に当てはめてみる
- 自分が過去にその時のことを思い出して覚える
- 自分がその形容詞を実践している様子を想像する
はたして結果は、5.の「自分が実践している様子をイメージ」の圧勝でした。
1.の「リズムにのせて覚えた」場合には平均が3.2ポイントだったのに対して、自分をイメージしたら9.3ポイントに跳ね上がった。
このことは、脳に損傷を負っていても健康体でも同じであることがわかった
また、基本的には「自分」をからめたテクニックの方が成績が良く、最低だったのは「リズムにのせて覚える」パターンだった。
実験その2
また、ヴァージニア大学の実験では、225名の大学生に10名の名前を書き出してもらい。
もし正確に誕生日を覚えていたら、それも書き出してもらった。
次に、それぞれの友達の正確な誕生日を調べてもらいました。
その結果は、10人の友達の中で平均4.72人の誕生日を覚えていることが分かったのです。
さらに、覚えていた人の誕生日と自分の誕生日とのズレを調べてみると極めて近いことがわかりました。
平均して78.9日離れている程度であるなら覚えていたのです。
逆に覚えていない人の誕生日を後で調べてみると自分の誕生日とは平均98.4日も離れていることがわかりました。
自己参照効果でこんなに差が出てしまうのですね。
また、一般的には、女性の方が男性よりも友達の誕生日を覚えているようです。
10人の友達の中で男性は平均3.38人しか覚えていませんでしたが女性は5.26人も覚えていました。
女性の場合は誕生日だけでなく、各種の記念日や購入日なども良く覚えていますよね。
まとめ
多くの研究で、「自分」にからめて記憶した方が物覚えが良くなります。
また「自分が覚えたいことを他人に解説している様子をイメージする」ように、応用していくと、さらに効果が出てきます
参考:もっとすごい心理学(内藤誼人著)、LINE NEWS