地球温暖化の原因追及でノーベル物理学賞を受賞
真鍋さんノーベル物理学賞を受賞
地球温暖化問題が世界的に取りざたされています。
この地球温暖化について、アメリカのプリンストン大学で上級研究員を務めていて、アメリカ国籍を取得している真鍋淑郎さん(90)が、世界に先駆けて発表し2021年のノーベル物理学賞を受賞した。
日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて28人目で、物理学賞では12人目になります。
真鍋叔郎(まなべしゅくろう)
真鍋さんは、1931年(昭和6年)愛媛県四国中央市の出身で、子供のころから気象に対する興味が強く東京大学理学部の地球物理学科を卒業した。同大学の大学院で「数値予報」を専攻して研究し、博士課程を修了後、アメリカの海洋大気局で研究を行いました。
大気と海洋を結合した物質の循環モデルを提唱し、二酸化炭素が気候に与える影響を世界に先駆けて明らかにするなど地球温暖化研究の根幹となる成果などをあげてきました。
「大気海洋結合モデル」など、最新のコンピューターによる成果を次々に生み出し、地球温暖化予測の研究が科学雑誌ネイチャーに掲載され注目を集めた。
ノーベル物理学賞の受賞
今回、2021年10月5日、ノーベル物理学賞を受賞した理由は「気候の物理的モデリング、気候変動の定量化、地球温暖化の確実な予測」に関する業績で、クラウス・ハッセルマンとともに共同受賞した。気象分野の研究者が同賞を受賞するのは眞鍋さんとハッセルマンの2名が初めてであった
引用:Wikipedia
真鍋さんは、今までにもアメリカのノーベル賞といわれる「ベンジャミン・フランクリン・メダル」を2015年に受賞し、スウェーデン王立科学アカデミーが選ぶクラフォード賞を2018年に受賞している。
ノーベル賞の選考委員会は「現代の気候の研究の基礎となった」と高く評価しています。
地球の気候は人類にとって極めて重要な複雑系のシステムで、真鍋さんは大気中の二酸化炭素の濃度が上がると地表の温度上昇につながることを明らかにしたとしています。
そして、1960年代には地球の気候に関するモデルの開発をリードし、地表面が太陽から受け取るエネルギーから宇宙に逃げていくエネルギーを差し引いた「放射収支」と、空気の縦の動きが、お互いにどう影響し合うか世界で初めて解明したとしていて、真鍋さんの研究は現在の気候モデル開発の基礎となったと評価しています。
ノーベル物理学賞を受賞した日本人は、アメリカ国籍を取得した人も含めて12人となりました。
湯川秀樹さんが日本人が初めてノーベル賞を1949年に受賞しました。
16年後の1965年に朝永振一郎さんが、さらに8年後の1973年に江崎玲於奈さんが続きました。
その後は28年間、日本人の物理学賞の受賞はありませんでしたが、2002年に小柴昌俊さんが受賞しました。
2000年以降は、ノーベル賞の日本人受賞者は多くなってます。
コンピューターの話
真鍋さんは研究のため最先端のスーパーコンピューターを使ってました。
研究費用は40年間で約150億円を費やしたが、その約半分がスーパーコンピューターの使用料で年間2億円近い出費があり、そのことから「世界で一番スーパーコンピューターを使った男」「世界で最もぜいたくにコンピュータを使った男」と称された。
受賞当日の取材で、「今の地球の状況をどのように感じているか?」という質問に対しての答えは
一番大きな問題は、干ばつですね。干ばつの頻度がどんどん増えていると。南部ヨーロッパではどんどん乾いて気温もどんどん上がる。気温が上がればますます乾く。それで干ばつが頻繁に起こると。
引用:Wikipedia
それから、アフリカのサヘル砂漠では、やはり干ばつで、もう農業が前のようにできなくなると。それで大量の人々がヨーロッパに移民してると。それから日本もですね、大洪水、がけ崩れ、そういうものが非常に頻繁になってきたと。世界では最近ライン川で大洪水が起こって大変だったと。
こういうことが今起こってるので、それがやはり元はといえば気候モデルで昔予想したことがそのまま今起こってるんですよ。だからこれはもう大問題で。将来はこの傾向がどんどん続いていって悪化するということになってますので、その対策をどうするかというのは大問題になると思います。
世界各国で早く着手して、前倒しで進めてほしいですね。