数の単位は多様性に富んでいる 手袋は何

数の単位は多様性です
「何本」「何箱」「何個」など数を表す単位のことを助数詞といいます。
日本語の助数詞は多様性に富んでいて、その数はなんと約500種類にも及ぶそうです。
日本語独特の使い方が外国人には、なかなか理解できないところでもあります。
例えば
1本:いっぽん
2本:にほん
3本:さんぼん
4本:よんほん
5本:ごほん
6本:ろっぽん
7本:ななほん
8本:はっぽん
9本:きゅうほん
10本:じっぽん
これを1回で覚えるのは至難のことですねまた、はっきりとした規則性があるわけでもないので日本語の学習者泣かせです。
しかも、数が1とか2のときだけ、数ではなく代わりの専用語を使うことがある。
例えば
(長男・次男、初級・初段、初校・再校)など
不規則なものでは
- つ:1から9までつをつけ、10は「とお」となり、10以上は「個」をつかう。
- 日:1日は「ついたち」で2日から10日まで20日は「か」です。14日は「じゅうよっか」ということがある。
- 月:月名は「がつ」のみ、月数は「つき」か「箇月・かげつ」を使う。
- 年:「ねん」を使う。4年、7年「よねん・しちねん」を使い9年は「きゅうねん・くねん」の両方がある。
- 人:「ひとり・ふたり」があり、それ以外は「にん」を使う。
- 羽:「わ」を使う。3羽、1000羽「さんば・せんば」になる。

3羽
読みずらい助数詞の一覧を記しますが読みは標準的な読みです。
- アドバルーン:一本
- あんどん:一張(はり)
- イカ: 食品の読みは1杯(はい)、生物の読みは1匹(ひき)
- 筏(いかだ):一枚
- 囲炉裏(いろり):一基
- 衣類:一枚・一着、組なったもの一揃い・一領
- 重ねて畳んだ和服 一重(かさね)
- 井戸:一本
- ウサギ:一羽
- 宴:一席(せき)、一献(こん)
- うちわ:一柄(へい)
- 馬:一頭・一匹、人が乗る一騎
- エビ:一頭(かしら)・一尾(び)
- 襟(えり):一掛(かけ)
- お年玉:一封(ふう)
- 帯:一条(じょう)・一筋(すじ)・一本
- 鏡:一面(めん)
- 鏡餅:一重(かさね)
- 掛け軸:一軸(じく)・一幅(ふく)
- 駕籠(かご):一具(ぐ)・一挺(ちょう)
- 兜:一刎(はね)
- 釜:一口(く)
- 乾麺:一把(わ)
- 川:一条(じょう)・一筋(すじ)
- 生糸:一梱(こり)
- 銀行:一行(こう)
- 草花:一株(かぶ・しゅ)・一本 束は一束(たば)
- グラウンド:一面(めん)
- 鍬(くわ):一挺(ちょう)
- 琴:一張(はり・ちょう)・一面(めん)
- 昆布:一連(れん)
- 地蔵:一尊(そん)
- 数珠:一連(れん)
- 大砲:一門(もん)
- 箪笥(たんす):一棹(さお)
- 人力車:一挺(ちょう)
- すだれ:一張(ちょう)
- すべり台:一基(き)・一台(だい)
- 蝶:一頭(とう)
- たらこ:一腹(はら)
- だんご:一串(くし)
- 砥石(といし):一挺(ちょう)
- トランペット:一本
- 海苔:一帖(じょう)10枚で
- 袴(はかま):一具(ぐ)・一腰(こし)
- 花:一輪(りん)
- ピラミッド:一基(き)
- 仏像:一躯(く)・一体(たい)
- 宝石:一顆(か)・一粒(つぶ)
- 墓石:一基(き)
- 枕:一基(き)・一個
- まな板:一丁(ちょう)
- 目薬:一点(さし)
- 物語:一話(わ)
- 山:一座(ざ)
- 鎧:一領(りょう)
- ロケット:一発などなど、どのくらい読めましたか
ところで、手袋の単位は何でしょうか
あまり話の中に出てきませんね。

手袋・片方
左右違った組み合わせですからセットで数えるのが基本です。
数え方の単位は「双・そう」を使います
なるほど、ちょうどペアのような字で分かりやすいですね。
手袋の右手用と左手用をそろえてひとつとし「一双」と呼びます。
双という漢字を ”漢字/漢和/語源辞典” で紐解くと双の旧字は、雙 です。
雙 の象形文字は、「隹+隹+又(手)」となり、ずんぐりした鳥がいて右手で取ることを意味しています
二つ揃って一組としてあらわされるものに「対・つい」があります。
例えば、夫婦茶わんや竹馬などになります。
なじみがあるのは「組」ですか、「二つ以上を合わせてひとまとまりにしたもの」という意味で、「2個一組」「夫婦一組」などと使われます。
手袋でも軍手は左右が同じです。
「双」「組」でも呼び方は間違いありません
また、親指だけが離れていて他は一緒になっている手袋で「ミトン」があります。
特別な呼び方はなく手袋と一緒で「双」です
どれも間違えではないので、難しく考えるのはやめましょう。
ただ、単位も古くからの言い回しや伝統的な日本語のこだわりもあります、状態や環境などを表す言葉でもありますので少しは覚えて大切に使い分けていきましょう。