情けは人の為ならず 幸福度を高めよう
情けは人の為ならずは、わたしも意味を勘違いしていました。
たいがいは、「人に情けをかえると ロクなことがない」と思っている人が多いのではないでしょうか、これは、間違いです。
本当の意味は
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年 小学館)によると
情けは人(ひと)の為(ため)ならず
引用:文化庁
情をかけておけば,それがめぐりめぐってまた自分にもよい報いが来る。人に親切にしておけば必ずよい報いがある。 補注:情をかけることは,かえってその人のためにならないと解するのは誤り。
と、辞書の説明の中では珍しく、わざわざ「誰かに情を掛けることは,その人のためにならない」という解釈が誤りであることを指摘しています。
なぜ、間違って本来の意味を理解してしまうのか、どうやら、「ためならず」の解釈を誤っているようです。
もし「情けは人のためにならず」というのであれば,「その人のためにならない」と受け取れるでしょう。しかし,「人のためならず」の「ならず」は,〔断定の「なり」〕+〔打ち消しの「ず」〕ですから,「である+ない=~でない」という意味になり,「人のためでない(=自分のためである)」と読み取る必要があります。ここのところがはっきりしないことが「人のためにならない」と解釈する人を増やしている理由だと考えられます。
文化庁
幸福度(ハッピー)
「なんだか運が悪いよな・・・」「最近ついてないことが多い・・・」と感じる時がありますね。
こんな時は幸福度が下がっているといわれます。
少し自分の行動を考えて振り返ると「情けは人の為ならず」のことわざが良いヒントになるようです。
ヒューストン大学のラッドらの実験によると、人は自分のために何かするよりも、他の人のためによいこと(「向社会的行動」)をしてそれを達成できると幸福(ハッピー)になるということがわかった。
「具体的に人のためになるような行動」を取ると自分自身のハッピー度も上がります。
たとえば、”誰かを笑わせよう” とか ”ゴミのリサイクルに出すものを増やす” だとかという程度でよいそうです。
そのわけは、具体性を持たせるために、期待と現実の溝をできるだけ小さくすることが大事だからです。達成しやすい目標を定め、それを実行し達成することです。
抽象的なレベルの「他人の幸せのため」「地域環境のため」などに設定すると、実現の度合いがはっきりしなくなって、具体的な目標に比べて幸福度を感じる度合いが低くなる結果が出ています。
さらに、カリフォルニア大学のリウボミルスキーらによる研究によると
- 知らない人のコインパーキングを払ってあげる
- 献血をする
- 友人の問題を解決する
- お世話になったっ先生にお礼状を書く
など、具体的なことを週に5回よいことをすると、何もしない人に比べ幸福度が高くなったとのこと。
ボランティアなどに従事しているひとはウツになる確率は低く、ボランティア活動の時間を長くやればやるほど幸福に感じる度合いが高くなる結果も出ています。
人のためを思った行動は自分をハッピーにすること間違いないということですね。
ほんのちょっとしたことを日常の中にいれて人を喜ばせることをしてみましょう。
参考:文化庁、ナンスカ、科学的に元気になる方法集めました(堀田秀吾著)