サバ缶は水産缶詰の №1
サバの缶詰№1
2018年(平成30年)にサバの缶詰が各メディアに取り上げられ、たいへん話題になった。
今や水産缶詰では№1の生産量となってます。
なぜこんなに、注目を集め人気を得たのか
2018年と言えば災害の年でした。
- 6月は、大阪北部で震度6弱の地震。
- 7月は、西日本で台風7号の影響で集中豪雨。
- 同じく、7月の酷暑が各地を襲った。
- 9月は、西日本を猛烈な台風21号が最大風速。
44メートル以上を記録した。 - 9月に、北海道でM6.7の強い地震で犠牲者が出ている
そのため世相を表す漢字は「災」が選ばれている。
そして、サバの缶詰は2018年の「今年の一皿」にも選ばれているんです。
2011年(平成23年)の東日本大震災を受け、防災意識が全国で高まりから非常食を備蓄する動きが活発となった。
缶詰や乾物、フリーズドライ、インスタント麺などに注目を集めた。
その中でも「鯖缶」は、すぐに食べられて便利で、おいしい。
しかも鯖のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの必須脂肪酸を多く含み健康効果も期待できるところから価値を生みだしていった。
おしゃれな家庭料理にアレンジされたレシピが取り上げられ、日本の魚文化の素晴らしさを再認識させた。
特に、従来のイメージを払しょくさせ洗練された「おしゃれ鯖缶」や原料にこだわりをもった「プレミアム鯖缶」は女性たちの注目も集め、一時は店頭から姿を消すほどの勢いで社会現象となった。
「サバ缶ブーム」で、洋風の味付けなど様々なサバ缶が発売されるだけでなくサバそのものにも人気が波及していて、最近では、サバ料理専門店やサバ料理専用の日本酒などが出現している。
これをきっかけに魚の食文化の見直しがされるといいと思いますね。
水産庁の調べによると食用魚介類の消費量は平成13年(2001年)度をピークに減少傾向で1人年間40.2kgの消費量が平成29年(2017年)度には24.4㎏までに落ち込みました。
「手ごろな価格」で「調理に手間をかけずに手軽に食べたい」「からだに健康に良いものを食べたい」とニーズのあったサバ缶やイワシ缶など水産缶詰に期待されてます。
からだに良い水産物
水産物は健康に良いことはいろんな研究で明らかになっています。
前述のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は胎児や子供の脳の発育に重要な役割を果た
すことが分かっています。妊娠中にDHAやEPA等のn-3系多価不飽和脂肪酸を摂取した妊婦から生まれた子供の知能指数は、摂取しなかった子供に比べ高くなるといわれています。
また、DHAを添加した人工乳を生後まもない乳児に摂取させることで、網膜や視神経の発達が促され、発達指数や知能指数を上昇させるといわれています。
他にも、すい臓がん、肝臓がんや男性の糖尿病の予防、肥満の抑制、心臓や大動脈疾患リスクの低減等、様々な効果があることが明らかにされています。
カルシウムを摂取する際、カルシウムの吸収を促進するビタミンDを多く含むサケ・マス類やイワシ類などを合わせて摂取することで骨を丈夫にする効果が高まります。
また、ビタミンDは筋力を高める効果もあります。
小魚を丸ごと食べ、水産物も摂取することにより、カルシウムとビタミンDの双方が摂取され、骨密度の低下や筋肉量の減少等の老化防止にも効果があると考えられます。
引用:水産庁
「魚の国しあわせ」プロジェクト
最近、スーパーに並んでいる「赤魚の粕漬け」を見て、驚きました。
そのままラップに数個の穴をあけ、レンジにいれてチンするだけと書いてありました。
購入はしませんでしたが、これが水産関係者と官民協同の取り組みとして、平成24年(2012年)に開始された「魚の国のしあわせ」プロジェクトの一環です。
魚食の普及を目的に活動し、手軽・気軽においしく食べられるようにすることも魚食普及の1つです。
電子レンジで温めるだけだったり、フライパンで炒めるだけだったりと、ひと手間加えるだけで手軽においしく食べられるような商品及びその食べ方を選定する「ファストフィッシュ」の取組も行われています。
これまでに3千を超える商品が「ファストフィッシュ」として選定され、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売されています。
引用:水産庁
しかし、農林水産省によると、水産物の生産量は417万5000トンと、前の年に比べて2万1000トン、率にして0.5%減少している。2年連続減少です。
引用:農林水産省
「潮流や水温の変化などによる海洋環境の変化が要因とされている」
水産物は、優れた栄養特性と機能性を持つ食品であり、様々な魚介類や海藻類をバランス良く摂取することにより、健康の維持・増進が期待されます。
サバ缶ブームをきっかけにして健康のためにもおおいに魚文化を拡大したいものですね。