入梅の候 時期は
水無月(みなづき)なのに入梅
おかしなものですね、水が無い月と書いていて
しとしとピッちゃんの入梅の候です。
これは、新暦と旧暦の違いからと読み方の問題
が当てはまるようです。
旧暦の6月は、梅雨が明けた時期になるため新暦に
当てはめて考えることは間違いなんです。
水無月の「無」は、神無月の「な」と同じように
「の」にあたる連対助詞「な」で、水がないわけ
でなく「水の月」という意味になる。
今年のカレンダーの6月10日に「入梅」と書か
れています。いつも何となく見てはいたものの
記してある意味は分かりませんでした。
入梅は2種類
調べてみると、入梅には2通りの意味があり、
- 「気象学」から見る入梅
- 「暦」からみる入梅
があります。
一般的には、気象学から見る入梅を指すことが多いです。
いわゆる、梅雨前線が北上し、その影響で雨が続く日が
始まること(梅雨入り)
暦から見る入梅は、太陽の黄経が80°に達する日
(太陽が天球上を通る経路(黄道)を等角に分割した座標。
特に春分点を座標ゼロとして360度に等分したものを言う)
出典:(太陽黄経詳細はこちら)Weblio
暦の入梅は雑節(ざっせつ)のひとつで、毎年の
6月11日頃になります。
入梅の定義は、一定していなかったものの農家にとって
梅雨入りの時期を知ることは田植えの日程を決めるのに
重要だった。
まったく気象には関係なく、天体の運行により決まり
雨が降る見込みがなくても、暦上で表示された日が
「入梅」となります。
この暦の入梅は、貞享暦1685年の時代から暦に
記載されるようになりました。
いずれにしても、入梅は梅雨入りのことです。
入梅から約30日間が梅雨となります。
梅雨明けのことを「出梅 しゅつばい」とも言いますが
あまり使われてはいませんね。
梅雨の語源
梅雨の語源は諸説あります。
梅雨の時期は湿気が多くカビが生えやすいので「黴雨」
【ばいう】が転じて「梅雨」になったとか。
また、梅の実が熟すころだからとか、この時期は毎日
雨が降ることから「毎」を「梅」の字にあてたとか。
別名もたくさんあります・
五月雨(さみだれ):旧暦では5月ごろであることから
梅 霖(ばいりん):霖とは、長く降り続く雨の事です
麦 雨(ばくう) :麦が実る時期であることの由来
栗花落(ついり) :梅雨の季節に咲く栗の花が落ちてしまう
入梅いわし
梅雨の時期に獲れる真鰯(マイワシ)の事。
入梅鰯は産卵前で1年のうちでいちばん脂がのっていて
美味しいとされています。
青背魚の代表のいわしには、DHA(ドコサヘキサエン酸)や
EPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれていて、高脂
血症を改善する働きや血液を固まりにくくして動脈硬化を
防ぎ血液中の悪玉LDLコレステロールを減らす働きをします。
特に成長期の子供や骨粗鬆症などの方には、積極的に
食べるようにするとよいとのことです。
入梅時期になったら、「てるてる坊主」の歌を口ずさみ
ながら、てるてる坊主を作ってみてはいかがでしょう。
「明日天気にしておくれ」
参考:ジャパノート、日本の行事・暦、Wikipedia、魚の本(講談社)