おうし座のプレアデス星団の和名は「すばる」
おうし座のプレアデス星団すばる
しんしんと冷え込む冬の夜空を飾るおうし座
そのおうし座の代表的なプレアデス星団は散開星団(1ヶ所で生まれた星たちが近くに集まっている天体のこと)です。
はっきりと肉眼でも見えることができて我々の目を楽しませてくれます。
肉眼で見える小さく群れている6~7個の星団は、その星の数から「六連星」(むつらぼし)と呼ぶ地方もあります。
初冬の東の空に、細かな星が集まった姿なので、誰にでもすぐ分かります。
普通の視力の人で6~7個の星が見えますが、双眼鏡ではこれが60~70個、大口径双眼鏡では、約140個もの恒星の集まりであることが分かります。
星の進化の理論計算から、「すばる」が生まれたのは約6000万年前と考えられていて、青白い高温の星の集団です。
6,000万年とは、すごい年月だと思っていたら、宇宙では、非常に若い星団と呼ばれているのです。
それもそのはずで、なんと太陽は約50億年前ですから、それに比べるとそういうことになりますね。
日本名は「すばる」
日本では雅の平安時代に書かれた清少納言の枕草子のなかで「すばる」という名でよまれて親しまれています。
「ほしは すばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。
尾だに なからばしかば、まいて・・・・」
「星といえば、すばる。そして、彦星(アルタイル)。宵の明星(金星)もいい。
流れ星もそれなりに趣があって美しい。でも尾(しっぽ)がなければもっといいのに・・」
とあり、夜空に見える星の中で美しいと思ったものを綴った一節で、その一番はじめに詠まれた冬に見ごろを迎える「すばる」です。
ちなみに 彦星は七夕の彦星、ゆふづつは宵の明星金星、よばひ星は流れ星のこと。
すばるは、国立天文台がハワイのマウナケア山頂に建設した大型望遠鏡の名前でもあります
プレアデス星団ギリシャ神話では
ギリシャ神話ではアトラスとプレイオネの間に生まれたプレアデス7姉妹として知られ、月の女神として仕えていたといわれています。
プレアデス姉妹は月の女神アルテミスに仕える侍女でした。ある時、森で遊んでいる姉妹を見かけた狩人のオリオンは、彼女たちを気に入り後を追いかけていきました。その様子を目にしたアルテミスは、彼女たちを鳩の姿に変えて守りました。「プレアデス」とは、鳩の群れを意味する古代ギリシア語に由来するという説があります。
それでもオリオンが執拗に姉妹を追いかけるため、見かねた大神ゼウスは彼女たちを天上に輝く星にしました。しかし、オリオンもプレアデス近くの空に上げられてしまったため、今も姉妹たちを追いかけているかのように見えるのです。引用:tenki.jp
7人姉妹のプレアデスですが、現在肉眼で見ることができるのは6つの星。昔は7つの星だったのに1つだけ見えなくなったという伝説が、世界各地で伝わっているそうです。
ギリシア神話でも次女にあたるエレクトラが姿を隠したという説、もうひとつは末の妹のメローぺが身を引いたという説が伝えられています。
プレアデス星団は地球から比較的近い400光年で、とても明るく見えています。
周囲には星が誕生した時の星間ガスがただよい明るくうつしだされています。
また、表面温度はきわめて高く青白く輝いく白色巨星で質量は太陽の十数倍と考えられています。
かなりのエネルギーを消費しているために、寿命は短く、あと1000万年ほどで超新星爆発を起こして消滅するのではないかともいわれています。
世界的にも目立つ星団なのか、様々な名前がつけられている。
- 「乙女の群れ」「おばあさんたち」「踊り子たち」「ラクダの群れ」。
- また星がかたまっていることから「群れ星」「寄り合い星」「鈴なり星」「ごちゃごちゃ星」「じゃんじゃら星」。
- 6~7個の星が数えられることから「六つら星」「六地蔵」「七福神」「七変化星」など
和名の「すばる」は、歌のタイトルや自動車のメーカー名で聞き覚えのある言葉ですね。
れっきとした日本語で、結ぶ、まとめるという意味です。
澄んだ夜空を見上げ「すばる」を見つけ、時は流れてもかわらない清少納言が見た同じ星を見つめ悠久の時代を星月夜にうつしてはいかがでしょう。
参考:Weblio、プレアデス星団 M45、中日新聞、tenki.jp