「パーキンソンの第3の法則」でお金を貯めよう
「パーキンソンの第3の法則」とは
パーキンソン第3の法則の有名なのは
「支出額は収入に見合うまで増加する」
です。
つまり、
「お金は入れば入っただけ出ていく」
ということです。
1958年にイギリスの歴史学者・政治
学者のシリル・ノースコート・パーキ
ンソンが、自分の本の「パーキンソン
の法則:進歩の追及」の中で提唱され
た。
- パーキンソンの第1法則は:
「仕事がなくても官僚の数は増え続ける」
というもの。 - パーキンソンの第2法則は:
「ある資源に対する需要は、その資源が
入手可能な供給量まで拡大する」です。 - そして、今回は第3法則の:
「支出額は収入に見合うまで増加する」
を取り上げてみた
ベースアップ分はすぐに消える
旦那さん(家庭)の給料が上がれば、
上がった分だけの使いみちを奥さんは
考えちゃうんです。
貯金や保険にいくら使って、子供達の
養育費や学費にいくらといったように
考えるのです。
貯金に回せるお金が、増えた給料の中
から捻出できなければ、仮に毎年昇給
があってもなかなか貯めることは難し
いですね。
収入が増えると支出も増えて、増えた
お金は次第に消えていき、うまくいっ
ても家計はとんとん、むしろ赤字にな
ることの方が多いという。
よくありますね、「あれ、給料が上が
った分のお金はどこへ行ったのだろう」
「何に使ったのか覚えていない」なんて
ことは結構あります。
また、Aさんは月に手取りで20万円で
生活をしていました。
Aさんは収入をほとんど使ってしまい、
まったく貯金はできない状態でした。
Aさんは「もう少し給料が高ければ
貯金できるのになぁ」と考えていま
した。
そこで、Aさんは転職をして手取りが
25万円になりました。
今までより5万円も余裕ができたわけ
です。
それなのにAさんは結局すべてを使っ
てしまい、貯金を一切できませんでし
た。
このように書くと「Aさんがだらしが
ないから」とか「Aさんが金遣いが荒
いから」という話になるかもしれない
ぼく自身にも、そんな恥ずかしい経験
があります。
Aさんのことをとんでもない奴だなん
て、とても言えません。
若い頃には、友人や会社の先輩との付
き合いもあり(ほとんど言い訳だ!)
給料は次の給料日まで持たなかった。
簿給のくせして、しまいには「江戸っ
子は宵越しの金は持たない」と自分に
うそぶいてもいた。
情けないかな母親から借りてその場を
しのんでいたことを思いだします。
「パーキンソンの法則」の本質
収入が増えても、その収入をすべてを
使いきってしまう、とかく支出が収入
を上回るものだとし、まさにこれこそ
パーキンソンの法則の本質です。
そしてパーキンソン氏はこの真理は未
来永劫変わらないと喝破したのです。
ということは多くの人が経験をしてい
る事でもありますね。
日本の実情で、もっとも老後破産しや
すい年収の層があるんです。
なんと年収700万円ほどの層の世帯だ
と言われています。
2020年度の日本の平均年収は409万円
なので年収700万円といったら、かなり
の高収入の部類になりますよね。
世間から見てうらやましいほどの高級
取りの人がなぜ!
と思いますが、年収700万円世帯の人
たちはもらった給料のほとんどを使っ
てしまうからです。
そして、定年を迎え老後になり収入が
減っても「生活のレベルを下げられな
い層」なので老後破産というケースが
多いのです。
このように、パーキンソンの法則は
「人間の弱さの本質」を的確にとら
えたものといえます。
生活のレベルを上げる
人は誰も収入が増えれば、少しぐらい
贅沢してもいいのではないかと心の中
で思いますね。
誘惑の言葉に「自分をほめてあげたい」
「旅の恥は掻き捨て」「このぐらいな
らOK」など、どれも自分を納得させる
言葉となってきます。
使う用途は様々でしょうが、たとえば
食べ物のランクを上げたり外食が多く
なったり、ブランド品を身につけ、ワ
ンルームから1LDKに住みかえたりし
ます。
いわゆる「生活レベルを上げる」とい
う点が多く見受けられ、収入が増えた
分以上に消費してしまうということで
す。
中国では2000年前から「入るを量りて
出ずるを制す」とし、国の予算は事前
に収入の予定を見積もり、資金の目途
を立ててから、それに見合った支出を
心がけるように諭している。
昔からの鉄則にもかかわらず、どの国
においてもなかなか守られていないの
が現状です。
(日本では国債の発行で借金は国債と
地方債を合わせると、1100兆円を超え
てます。)
これについて、パーキンソン氏は財政
均衡が守られない理由として、政府は
歳入について無頓着であり、重視して
いない。
また、政府はともかく使わなければな
らないという事の差し迫った考えがあ
るからだとしています。
年度末に道路工事や修繕工事などが、
あちこちで見受けられるのもそれのせ
いでしょうか。
パーキンソンの法則を反面教師として
次の2つのことを実行するように識者
は勧めている。
- 1つ目:予算を立てる
- 金銭の呪縛から自分を解放するため、
増えた分の収入をカウントしないで
残すように工夫する。 - あらゆる支出を見直して予算を組み、
電気代や水道代などを計上して必要経
費内で制限するようにする。
2.2つ目:自分の支出を客観的にチェックする
- 支出をどのように削減するか、節約す
るかを考える。 - とりあえず向こう3ヵ月間の支出を1割
削減するように努力する。 - 最近はクレジットカード決済が多くな
ってきているが、カードを利用すると
きなどは必要不可欠以外の物は、一切
買わない習慣をつける。
そのコツとしては
アメリカ人がよく口にする(Pay yourself first)
「他人でなく、まず自分に支払え」
を実行する。他人に支払う分があるの
なら、そのまえに「まず自分のために
支払え」という意味で、貯金しろとす
すめている。
パーキンソンの法則では「収入を増や
すことよりも、支出の割合を減らすこ
とを考えよ」ということです。
収入が増えると支出も増えるという固
定観念をなくし、支出を減らした分の
差額を貯めるか投資する意識を持つこ
とが大切だと教えている。
ぼくもつい、自分に甘くなりがちにな
るし、このぐらいはいいのではないか
今回は許されるだろうと自分に問いか
けている自分がいます。
しっかり身につけるように心がけましょう。
参考:オクゴエ、「〇〇の法則」事典(烏賀陽正弘著)