日本3大発明のひとつ「たわし」の物語
「たわし」
明治40年(1907年)に発明され8年かけて工夫を施し特許を取り100年以上、経った今でも使われているものは何でしょう。
正解は「たわし」です。
ここでいうたわしは東京都北区にある「亀の子束子西尾商店」のことです。
漢字では「束子」と書きます。
我が家にもたわしはキッチンで使っていますし、ストックは数個あります。
子供が小さい頃には運動靴をたわしにクレンザーをつけて何度も洗ってました。
この「たわし」は、松下幸之助の「二股ソケット」、石橋正二郎の「ゴム足袋」と並び「日本三大発明」のひとつです。
キッチンに必須
「亀の子たわし」は、主に調理器具を洗うのに欠かせないです。
例えば、ヤカンの焦げ付きなどに、ゴシゴシやります。
まな板のわずかな傷に入りこんだ汚れをかき出したり、木べらの目に沿ってたわしを動かし汚れを落します。
鉄のフライパンは通常は「ささら」を使って洗い落とすけど僕は亀の子たわしを使ってます。
「亀の子たわし」は年間数百万個(推測)生産されていると思いますが、これが、繊維の長さを整える工程だけが
機械作業であとはすべて職人さんの手作業です。
100年以上の歴史ある製品のほとんどが手作業とはおどろきでましたね。
現代ではロボットやAI技術が発展しているのにもかかわらずですか、それも100年のロングセラーの秘訣のひと
つでしょうね。
「亀の子たわし」の誕生
西尾正左衛門(発明者)は子供の頃、母親が毎日忙しく働いていている姿を見て暮らしていました。
大人になり正左衛門は母が編んでいたシュロを針金で巻いた新型の靴拭きのマットを見てアイデアが浮かびました
それまでの、縄を編んだだけの靴拭きマットと違い、正左衛門のマットはブラシのように泥を削り取ってくれます
評判の良かった足ふきマットも使っていくうちにシュロの毛先が潰れて使い物にならなくなり返品されました。
ある日、妻(西尾やす)が障子の桟を掃除するのに、マット用の棒、シュロを曲げてそうじをしているのを見て、
「これだ!」と自分で握りひらめいたのです。
昔から、藁や縄を束ねた「たわし」は洗う道具として使われていましたが、針金で巻いた棒状のシュロを洗浄用に
使うのは初めてだったのです。
それからは、妻の手を参考にして大きさ、重さ、形状等、試行錯誤を繰り返しやっと8年後に特許を取得したのです
さて商品名を何にしようかと考えているときに、子供が「「お父さん、見て見て!亀が水のなかを泳いでいるよ!」
と声をかけたのです。
これにヒントを得て「たわしは亀に似ているし、水にも縁があり、長寿で縁起もよいということでし命名した。
子からのヒントで、亀の子になったというわけです。
しかし、類似品も続々と出て、昨今では中国からの模造品、100円ショップなどでも売られてます。
また、現在では、使い方を(使用方法)を知らない若い方も多いそうで、ザルはあってもたわしがない家庭が増えています。ザルはたわしで洗うものです。
「たわし」の種類
たわしは大きく分けると3種類です
- シュロたわし:
強度と柔軟性があり細かいところにも入り込みます
(料理人さんがよく使ってます) - ヤシたわし:
適度な強度で繊維の頭の部分でかき出す
(ザルには最適ですが、傷つきやすい) - サイザル麻たわし:
吸水性、柔軟性優れ主に健康タオルとして使われている
上手に使い分けて使用するとよいようです。
創業時から製造方法は変わらず、熟練の職人が手作業で作り出す本物のたわし。
20項目もある検品は全品を厳重にして合格した商品だけ出荷して品質の良さを維持している。
この形のものは海外にない、純日本製で、とても海外でも人気です。
2013年には、グッドデザイン・ロングライフ賞を受賞しています。
亀の子たわしで調理器具やキッチンを綺麗にしてみましょう。
参考:気になる話題、Wikipedia、DIAMOND、亀の子たわし