孤独感・憂鬱感・不安感を和らげる10分の電話
「孤独感」はどこから生まれる
一人暮らしの高齢者や大学生、遠地で単身赴任をしている人、赤ちゃんや小さな子供をあやし育てるシングルペアレント、親の介護で毎日を振り回されている人。
このような境遇の中にいると人は孤独感を抱くことが多い。
ましてやこのコロナ禍では人との接触機会を減らすように求められ、仕事もテレワークとなり毎日をやりきれない気持で過ごしている人も多いです。
みんながお互いに孤立を避けなければいけないときです。
つい自分のことの内側に目を向けてしまいがちですが「あの人は元気にしているかな」「しばらく会ってないな」と気になったり、思い出したりしたら声を掛け合うのがよいですね。
「ランダム化臨床試験」
最近は、LINEやメール、FACEBOOKなどのSNSで文字のメッセージを送ることはあるだろうが、ランダム化臨床試験が行われ、こんな研究結果があります。
「COVID‐19パンデミック下の成人の孤独感、憂鬱感、不安感に対する、共感を重視した「電話サービスの効果」という論文が精神医学やメンタルヘルスなどの分野の論文を掲載するサイト「JAMAPsychiatry」から公開された
この研究では、電話をもらった人は、平均して20%もの孤独感が減ったと報告されている。
- 参加者は240人、
- 参加者の年齢は27歳から101歳
- 63%が65歳以上(n =149/232)
- 56%が一人暮らし(n = 135/240)
- 79%が女性(n = 190/240)でした。
高齢者を対象に行われたこの研究は、電話をもらう介入グループと電話をもらわないコントロールグループに分けて行われた。
そして17歳~23歳の若者16人が4週間、それぞれ6~9人の高齢者リストに定期的に電話をかけた。
この若者たち16人は特に専門ではなく共感的なコミュニケーションについて簡単な訓練を受けた一般の人たちです
最初の5日間は毎日電話をかけ、その後は高齢者の希望に応じて電話をかける頻度を減らすこともあった。
1回の通話時間は10分を目安に行われ最初のうちは10分を少し超えることもあったが長電話というほどではなかった。
それで相手の孤独感、憂鬱感、不安感が和らげるという結果が出たということでした。
この重要性は、孤独感は、脳卒中から心臓病までの全体的な死亡率と状態の危険因子として示されています。
2019年のコロナウイルス病(COVID-19)の発症に伴い、孤独やその他の精神的健康状態に対する隔離の増加の影響が懸念されています。
この研究は2020年6月26日にテキサス大学オースティン校の倫理委員会によって承認されました。
高齢者だけではなく、世代関係なく人と人とが繋がっているという感覚を持つことは、現在のコロナ禍でもそうでなくても大切なことです。
クイーンズランド州政府の取り組み
オーストラリアのクイーンズランド州政府は
「離れていてもつながりを保つ:
ソーシャルディスタンスを取りながらのウェルビーイング」
という記事で「社会的距離の時代の幸福」と題し、ビデオ通話やオンラインクラスバーチャル合唱団などに参加することを勧めている。
やっぱり人は相手の顔を見て、話し、聞くことが元気になる源ですね。
積極的に取り入れてみてください。