日本人の情緒たっぷり紅葉狩り
北の大地の大雪山から紅葉の便りが聞こえてきました。
秋の代表的なイベントの「紅葉狩り」のシーズンです。
「紅葉狩り」もみじがり とは
紅葉を見に山や野にでかけること。
紅葉狩りの「狩り」は、獣を捕まえる意味で使われていたが、野鳥や小動物を捕まえる意味に広がり、さらに果物などを採る意味にも使われるようになった。
果物を採る意味では、現在でも「いちご狩り」や「ぶどう狩り」などに使われている。
やがて「狩り」は草花を眺めたりする意味にも使われ、「紅葉狩り」と言うようになった。
「狩り」が草花を眺める意味になった由来は、狩猟をしない貴族が現れ、自然を愛でることをたとえたとする説もあるが、紅葉(草花)を手に取り眺めたことからと考えられる。紅葉狩りは奈良時代や平安時代もっぱら宮廷や貴族の遊びだったが、江戸時代以降は庶民の間にも広まり、全国の名所に出かけるようになった。
引用:語源由来辞典
紅葉は世界にもあるようですが、日本の気候風土が生み出す紅葉は世界にも例がない美しさのようです。
昼夜の寒暖の差が激しく、太陽と水分に恵まれた自然の気候、また、広葉樹が多いことが要因です。
日本ならではの、カエデ科カエデ属の植物であり、もみじとカエデが存在するのは世界で日本だけです。
そんな日本の四季の美しさを表す紅葉狩りは「源氏物語」の「紅葉賀」が知られ歌舞伎や能の演目、謡曲では戸隠高原が舞台です。
その戸隠や別所温泉などには紅葉伝説があります。
鬼女にまつわる伝説で平維茂(たいら の これもち)が名前が紅葉(もみじ)という鬼女と戦い、鬼女を退治する話です。
歌舞伎
歌舞伎でも「紅葉狩り」が描かれ「新歌舞伎十八番」のひとつに取り上げられている。
女形のあでやかな踊りと、迫力のあるダイナミックな立ち回りが人気を集めている。
能
能の「紅葉狩り」も歌舞伎と同じように、平維茂が登場します。
紅葉狩りの宴を開く美しい女と出会った平維茂は酔いつぶれてしまうのですが、女が鬼女だったとわかり、最後は激しい戦いの末に鬼女を退治します。
妖艶な女が鬼女と正体を明かし、異なる世界へ展開していく物語に引き込まれていきます。
日本の国の7割は森林で、さまざまな種類の落葉樹があります。
紅葉する落葉広葉樹の種類はヨーロッパで13種類、紅葉が有名なカナダでも同じく13種類で、日本では倍の26種類です。
紅葉する木の種類が多いことは、色の種類も多くなりグラデーションがより綺麗になりますね。
よく海外では赤色なら赤一色、黄色なら黄色一色に紅葉するとききます。
日本のように緑の常緑樹を交え鮮やかな赤や黄色の葉を一か所で見られるところが少ないのでしょう。
日本各地のもみじの名所と呼ばれているところには、京都の禅林寺や南禅寺など神社仏閣があり、日本ならではの独特な情緒、趣きが感じられます。
日本人のみならず海外からも高い評価をもらい、訪日する外国人も少なくありません。
秋は食べ物がおいしい季節です。
レストランやカフェなどでグルメを味わいながら紅葉を眺めてもいいですね。
遠くから眺めても、車窓からの美しく映える景色を心ゆくまで楽しみたいです。
自然が作り出す演出は、移り行く季節を感じさせてくれ、色ついた落葉樹の葉をじっくり眺めて季節の移り変わりを感じてみるのはいかがでしょう。