各地の伝統産業の団扇(うちわ)と日本
日本伝統品の団扇(うちわ)
団扇の用途は考えると結構ありますね最初に頭に浮かんだのは、練炭で炊事をしていた時代に、おふくろに頼まれて炭をおこすことでした。
七輪と呼ばれる火鉢のようなものに、練炭を入れ風を送るための、空気孔からうちわであおぎ、練炭が着火するまで、煙と闘いながら、よくあおぎました。
ガスコンロができる前のはなしでした古いですね、知らない人も多いのでは。
今では、BBQの炭をおこす時にも使われているのでイメージはわかると思います。
そうそう、焼き鳥の炭火お越しににも使いますね。
うちわは、もともと貴人が威厳を正すための道具でした。
また、祓うことの儀式や祈願、行事の軍配、信仰などに使われていた。
うちわの原型は中国から渡来した「さしば」といわれる、うちわの柄を伸ばしたもののようでした。
その、「はしば」を小型化したものを「うちわ」と呼ばれるようになり、扇いだり、虫を払う道具として使われるようになりました。
室町時代末期には、軽くて経たらない竹と和紙でできたうちわとなり、送風も格段に上がり現在の形となった。
江戸時代になり一般の大衆にも普及し暑さしのぎに扇いだり炊事の火起こし蛍や虫追いなど多種多様に使われ利用されました。
明治時代になると浮世絵などが印刷されたものが量産され、見て楽しむという使い方も加わりました。
一方で、高名な絵師による芸術品のようなうちわが多く生まれ、外国人に高く評価を得て盛んに外国に
輸出されました。
商家の配布用として量産されたり、映画俳優を印刷し裏面に名入れし広告媒体としての役割も担ってきました。
しかし、昭和30年頃から扇風機、クーラーなどの急激な普及により、実用面での使用は大幅に減少した。
どっこい、広告を入れた簡易型のペーパーファンと呼ばれる販促品のうちわや盆踊り大会、花火大会などの日本の風情を楽しむおしゃれグッズ、小道具としての利用は今も元気です。
日本3大うちわ
丸亀うちわ
全国のうちわの生産の9割を占めている丸亀うちわ。
朱赤に丸金印で有名なうちわで平成9年に「国の伝統工芸品」に選ばれました。
丸亀うちわは寛永10年(1633年)金毘羅大権現の別当金光院住職・宥睨(ゆうげん)が考案し、その後丸亀藩の地場産業として発展していきます。
うちわ作りに必要な竹は伊予(愛媛県)から、紙は土佐(高知県)糊は阿波(徳島県)というように、その材料の産地が近かったことも、長く続けられた理由のひとつのようです。
出典:丸亀市公式サイト
洗練された美しさ京うちわ
京うちわのルーツは、朝鮮うちわと言われ、日本の海賊・倭冠が日本に持ち帰り今日の貴族の別荘地に伝わった。
非常に繊細で、高度な技術を必要する京うちわは観賞用としても、装飾用としても評価が高く柄の部分にも漆に金彩を施すなど、贅沢で優美な物もつくられていた。
京うちわは洗練された美しい絵柄だけでなく、その形も丸型、角型、羽子板型、長柄型、扇型などバリエーションも豊富です。
出典:京都府
関東代表・千葉の房総うちわ
房総うちわは、千葉県の館山市、南房総市で生産され、丸みを帯びた柄となっているのが特徴です。
丈夫でしなやかな女竹の伐採から仕上げまで21の工程を経て完成となります。
この細かい作業工程をたった一人でこなせる職人さんが現在では一人しか残っていないそうです。
出典:房州うちわ振興協議会
各地の伝統産業として、地元の風土や文化がしっかりときざまれている「うちわ」を楽しみ浴衣の帯に挟んで日本の川涼みを満喫しましょう。