日本の伝統食文化、美容健康面でも注目「麹・糀」
日本の和食に欠かせない味噌や醤油の調味料は、日本固有の麴文化が支えてきました。
麹・糀とは
麹、糀(こうじ)は、米・麦・大豆などの穀物にコウジカビなどの食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたもの。
こうじには麹と糀の字があります
- 麹:古代中国から伝わった漢字
- 糀:江戸期に作られた。米にコウジカビが「花が咲くように生える様子」から生まれた漢字。
麴は、たくさんの酵素を生産し放出するとされ、30種以上ともいわれています。
コウジカビの産生した、分解酵素の作用を利用して日本酒、味噌、食酢、漬け物、醤油、焼酎、泡盛など発酵食品を製造するときに用いる。
引用:Wikipedia
この麹菌は「古くから先達が大切に育み、使ってきた貴重な財産」として、2006年に日本醸造学会は「国菌」として認定しました。
麹の種類
- 米麹
「米こうじとは、白米にこうじ菌を繁殖させたもので、白米のでんぷんを糖化させることができるものをいい、特定名称の清酒は、白米の重量に対するこうじ米の重量の割合をいう。
米味噌、日本酒、みりん、酢、甘酒の原料となります。 - 豆麹
豆に麹菌を増殖させたもので、タンパク質が多いため旨みの多い味噌が出来上がる。
豆味噌の原料となります。 - 麦麹
麦に麹菌を増殖させたものだが、そのままの状態では麹菌が増殖しないため精白処理と蒸しを施す。
麦味噌、焼酎の原料となります。
麴菌の種類
- 黄麹菌
古くから利用されていて、主に「味噌」「醤油」「清酒」「酢」「味醂」の製造に用いられます。 - 白麹菌
九州地方の焼酎文化に貢献し、昨今の全国的、世界的な焼酎ブームは、この白麹菌によって広まった。 - 黒麹菌
一般にアワモリコウジカビで広く知られている。古くから沖縄で泡盛の醸造に用いられてきたコウジカビで広く知られている。 - 紅麹菌
「豆腐よう」「紅酒」「老酒」の製造に用いられます。鮮やかな紅色をした麹をつくります。 - カツオブシ菌
鰹節の製造に用いられます。
鰹節内部に残った水分の吸収や、旨味成分の生成、油脂成分の分解効果を持ちます。
麹に含まれる酵素
麹に含まれる酵素には、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼなどで、麹は酵素の宝庫でビタミン類を生成する働きがあることや、消化のサポートをする働きがあることから、美容健康面でも注目されている。
私も「塩麹」を購入して、キュウリや大根などを小口に切り、その上から塩麴をかけて冷蔵庫で1,2時間で美味しい漬け物ができて美味しくいただいてます。簡単でとても便利です。
この酵素の働きは
- 栄養素を消化・吸収しやすく分解します。
旨味を感じるアミノ酸を生み出したり、食物をやわらかくする力があります。 - 麹のアミラーゼがデンプンをブドウ糖に、プロテアーゼがタンパク質をアミノ酸に分解します。
酵素の力により、ある程度分解された状態で摂取できるため、体内での消化・吸収がしやすくなります。 - 麹の酵素によって生み出される「オリゴ糖」は、腸内細菌“善玉菌”の大好物です。これをエサにして善玉菌が繁殖します。
- 菌は自身の代謝の過程でビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、イノシトールなど、肌の代謝にかかわるビタミン類を生成します。
身体によくて健康的な麹はこんな使い方がありました
塩麴
- 魚1切れに大さじ1程度周りにうっすら塗って30分~一晩漬け込み、
軽くぬぐって調理します。ふんわりおいしい魚になります。 - 肉100gにつき10g程度周りにうっすら塗って20~30分漬け込み、
軽くぬぐって調理します。ふっくらジューシーで美味しい。 - 野菜100gにつき大さじ1~2きゅうりであれば1本切った野菜にまぶし、
15分程度揉み込みます。簡単漬け物でご飯がすすみます。
醤油麴も魚や肉にもよいし、直接ご飯に混ぜ込んで食べても美味しいです。
麹の歴史は古く、紀元前から人々の食生活と関わってきました。
麹を用いる技術は現在、日本をはじめ、韓国、インドネシアなど東アジア圏の国々に広まっています。
室町時代に、安定的な麹づくりが行われるようになり、種麹づくりの基礎が築かれました。
江戸時代の庶民には夏の暑さを乗り切るために「甘酒」を飲む習慣がありました。
栄養価が豊富で体力回復に役立つとされ、たくさんの人に親しまれていました。
現代では甘酒のことを「飲む点滴」とまでいわれていますね。
健康に良い麹を多く食して免疫力をあげ、元気に過ごしましょうね。