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大事な命の「水」の世界の現状

私たちは水問題「水不足」と聞いてもピンときませんね。

日本では簡単に水を使うことができるので、水不足で困っている人たちがいることをつい忘れがちになってしまうのです。

ところが、いま世界各地で「水不足」が深刻化しこの問題への注目が集まっているのです。

国際連合(UN)食料農業機関では、2025年までに全世界の人口の約3分の2が水不足になるような可能性を示唆してるのです。

「水不足」とは,

ズバリ、「生きていくために必要な水が手に入らないこと」で「水問題」などとも呼ばれます。
ここでいう水は、飲み水だけではなく「生活する」ための水も含まれます。

気になるのは、主に発展途上国や乾燥地帯などにみられる「慢性的な水不足」です。

当然のことながら水道や下水など水にかかわるインフラの整備が不十分で、地域住民は水を手に入れるためにかなり遠く離れた水源地まで水を汲みにいかなければ手に入りません。

そのため、日本のように安い価格で安全な水が手にはいらず、やむを得ず決して衛生的と言えない水を摂取することにもなります

先進国では別の意味で水不足と言える状態に瀕している場合があります。

工業用、農業用、食料品など生産を自国で行うように考えるとそれらを生産するための淡水資源がたりなくなることで、先進国でありながら「潜在的な水不足」いえます。

干ばつ

「水ストレス」

水不足による日常生活での不便を感じるほどの状態をいう。

経済協力開発機構(OECD)「OECD Environmental Outlook to 2050(2012)」によると、2000年時点の世界の水需要は約3,600km3で、このうち灌漑用水が約2/3を占めています。 

灌漑用水とは、用水路(ようすいろ)は、農業用灌漑や上水道、工業用水道などのために水を引く目的で造られた水路のこと。

引用:『ウィキペディア(Wikipedia)』 

水ストレスを表す単位として、AWR1人当たりの年間に使用可能な水資源量(Annual Water Resource)が用いられています。
この指標でそれぞれの国で生活、農業、工業、エネルギー及び環境に要するAWR(水資源量)は年間一人当たり1,700 mが最低基準とされてます

もし、それに満たない場合、「水不足にさらされている」と判断をされます。

AWRが1,000㎥を下回る場合、水不足が人々の健康や経済開発、福祉を阻害し始め、500㎥以下の水準は、生存のために水の入手を最優先とする状態とされています。

世界水発展報告書2015

上の図は、世界のAWRを示しています。
日本やアメリカのような先進国では基準値の1700㎥以上なのがわかります。

一方、砂漠地帯や乾燥地帯、発展途上国などでは、残念ながら基準値の1700㎥を下回っている
すなわち、水ストレスの状態であるのです。

例えばインドでは

インドは長年人口の増加が著しい国として知られていますが、なんと国際連号の報告によると今後10年以内で総人口が中国を追い抜くという予測がたてられています。

そして、2050年までに都市居住者は4億1600万人増加するとされています。

大量の人口の増加に対応するべきインフラの計画が遅々として進まず、インド各地でおよそ1億人が、全国的な水危機の最前線に立たされている

インド国営のシンクタンク、インド行政委員会の2018年の報告書によると、インドの計21の主要都市の地下水が来年枯渇する見込みだという。

インド

インドの実情

インド第6の都市チェンナイでは、水源である4つの貯水池がほぼ枯渇している。

同市では、政府の給水車から容器に水を入れるため、毎日数十万人の住民が列を作る。また病院や学校といった重要なサービスも運営に支障をきたしている。
人々は毎日同じ汚れた水で皿を洗い、2~3本のボトルに入ったきれいな水は料理用に取っておく。

インド行政委員会の報告書によると、すでに全国で6億人の人々が深刻な水不足に見舞われており、毎年20万人が飲料水不足あるいは安全ではない水を飲んで死亡しているという。

この深刻な水不足でも高価な水を買うだけの経済的余裕があれば対処可能だという。

ここでも、貧富の差がますます激しくなる一方、低所得層は地下水にほとんど依存しており、水不足で最も打撃を受けることになる。

このままでは、貯水が枯渇し、水道水の供給が止まるいわゆる「デイ・ゼロ」の到来はありゆる。

インド第6の都市チェンナイでは、水源である4つの貯水池がほぼ枯渇している

たとえデイ・ゼロは到来しなくても、インド各地で数百万人の生活の質が大幅に低下し、国の発展が停滞する可能性が高くなると警鐘を鳴らしている。

清潔な飲み水が枯渇すれば、人々は安全でない水に頼らざるを得ない、と非営利組織ウォーターエイド・インドの最高経営責任者(CEO)、VKマドハヴァン氏は言う。そうなれば病気が蔓延(まんえん)し、死者の増加や乳児死亡率の上昇を招く

インドが変わるまでに残された期間は5年、と専門家らは指摘する。

これほどまでに「水不足」は、深刻な問題です。
中村哲先生が、書いている本の中でも、アフガンの人たちは、水を求めている、そしてそれを一緒に行動して水を掘り、水路をつくって生活にゆとりをもたらすことを書いてありました。
世界各地に、おいしい清潔な水が届きますように。

参考:spaceship earthcnn国土水産省

 

 

 

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