ラベンダーの母なる香りの成分は
「ラベンダー」とは
ラベンダーの葉っぱを1枚摘み匂いを嗅いでみるとハーブのとってもよい香りがします。
ラベンダーは、半耐寒性の小低木を指します。
原産地は地中海沿岸地方で伝統的にハーブとして古代エジプト、ギリシャ、ローマ、アラビア、ヨーロッパなどで薬や調理に使われてきた。
衣類を洗ったときの香りづけや浴槽に入れて楽しんでいた。
また、シーツなどのリネン類、衣服の虫除け、安眠効果があることから安眠枕やポプリにも利用され幅広く親しまれてきた。
ラベンダーは、シソ科のラヴァンジュラ属で、ラヴァンジュラはラテン語の「Lavare(洗う)」が語源で、ローマ時代に入浴時や洗濯の香水として使われていたことに由来している。
「ハーブの女王」のラベンダーが日本に伝わってきたのは、江戸時代末期で「ヒロハラワンデル」と呼ばれていたそうです。
昭和になって香料作物として、気候の適した北海道富良野で栽培され精油が生産された。
現在では、ラベンダー畑が観光地として世界的に有名になった。
ラベンダーはポルトガルの国花です。
ポルトガルの人々は古くから「メディカルハーブ」として日常に溶け込みラベンダーを愛してきました。
ラベンダーの香りをアロマや塗り薬として日常的に使い「ローズマニーニョ」と呼ばれるラベンダーの花からとった「はちみつ」は料理やスイーツによく使われています。
ラベンダーの素晴らしい芳香は「香りの女王」とも呼ばれている。
この香りには心をリラックスさせ、安らぎをもたらし、眠りを誘うという ”母なる香り” と呼ばれる一面を持っています。
また鎮痛、殺菌、消炎効果をもたらす酢酸リナリルなどが含まれています。
酢酸リナリルは精神を安定させ、幸せ物質といわれる「セロトニン」の分泌を促し、防虫効果をもたらします。
ラベンダーの伝説
ラベンダーに関わるこんな伝説もあります。
昔々、海よりも深く青い瞳と太陽ように輝く黄金色の髪を持つ一人の美少年がいた。
少女ラベンダーは、一目でこの美少年に恋をしてしまった。ラベンダーは燃える心うちを告白したかったが、いつもたくさんの女性に囲まれている美少年を遠くから見つめることしかできなかった。
はにかみやで内気なラベンダーは、告白できずにひどれだけ待ちつづけたのだろうか・・・。
沈黙を守りながらも美少年に振り向いてもらいたい一心で香りの高い一輪の花となった。
香りは物言わぬ大きな言葉……….。
多様性のラベンダー
昔から人々はラベンダーの香りをいろいろな用途に利用してきました。
主な作用を3つにまとめると
- 「傷による損傷を軽くする」作用
フランスの化学者、ルネモーリス・ガットフォセ博士は実験中の爆発事故で腕に大火傷を負ったが、すぐに薄めていないラベンダーの精油に腕を浸した。
すると痛みがひき、火傷も傷跡を残さずに完治した。
その後、研究を重ねその成果を「アロマセラピー」という著書にまとめた。 - 「脳の活性化、鎮静化」作用
ラベンダーの香りを嗅ぐと脳が鎮静化します。
ところが、香りの濃度を薄くすると逆に脳の処理機能が向上します。 - 「抗不安」作用
2014年にオーストリアのウィーン医科大学からラベンダーの「抗不安作用」が発表され、ラベンダーの香りを含んだものを飲んだグループは不安症状が改善された。
という、精神の安定にとても良い作用が確認されています。
ラベンダー色とは、薄紫色を意味している。
花言葉は「あなたを待っています」「期待」「沈黙」「清潔」があり、情熱的なものでなく、伝説通りな控えめで優しい感じがしますね。
参考:花のよもやま話、Wikipedia、かぐわしき植物たちの秘密(田中修・丹治邦和著)