これが相撲の本質「蹲踞・そんきょ」の所作
力士は土俵に上がると、まずは「蹲踞・そんきょ」します。
「蹲踞」とは
尻を地面につけずうずくまってすわること。 貴人の行列に出会ったとき、うずくまって頭をさげる礼。 相撲や剣道などで爪先立ちで膝を曲げて腰を下ろし、膝を開いた姿勢をとること。
引用:ウィクショナリー
相手を敬う気持ちを表す姿勢です。
力士の場合はご存じのように、ヒザを折って腰を落とし、かかとを上げて両膝を開いて座ります。
これから相撲を取る相手に敬意をはらっています。
土俵に上がる所作
- 「水をつける」:水で口をすすいで清める。直前の取り組みで勝った力士からつけてもらう。
身を清める、力をつけるという重要な意味を持っています。 - 土俵に塩をまくのも同じ清めの儀式で、怪我をしないように安全を祈願する。
- 「塵浄水・ちりちょうず」:蹲踞して両手を大きく回す所作で、大気の塵を集め、両手をこすり合わせて清めます。口をすすぐのと同じ意味ですが、手のほうは実際の水は使わないで、所作で済ませる。
- てのひらを上にして大きく両手を広げるのは何も武器は持ってないよ、ということの所作です。
身を清めて神聖な土俵に上がり、相手に敬意を払って正々堂々とあいさつをする。
それが、土俵に上がる際の所作の意味です。
それから、相撲への勝負を分かつ一番が始まるわけです。
それが双方の「立ち合い」による一度ぶつかってからの話となります。
立ち合い
この立ち合いは、力士同士の瞬間の呼吸が合って立ち上がり勝負が始まります。
「立ち合いは阿吽の呼吸」ともいわれ、力士は立ち合いにすべてをかけて臨みます。
ぶつかるまでは心に闘志を秘め古式にのっとり礼から始まるのが相撲です。
「本割」と「巡業」
相撲には「本割」と「巡業」があり、本割はテレビ放映される取り組みのことで、正確には、取組編成会議で決められた本場所の取り組みのことです。
本場所は現在、年間六回行われていて
- 一月場所:東京・国技館(東京本場所)=初場所
- 三月場所:大阪・府立体育会館=春場所
- 五月場所:東京・国技館(東京本場所)=夏場所
- 七月場所:名古屋・愛知県体育館=名古屋場所
- 九月場所:東京・国技館(東京本場所)=秋場所
- 十一月場所:福岡・福岡国際センター総合ホール=九州場所
で取り行われます。
春場所や夏場所などの季節名や、名古屋場所、九州場所のように開催地名などの通称も適宣使われている。
正式には、月の名で表したものを正式としている。これに元号による開催年を冠して、例えば「平成十六年一月場所」など数字も漢数字を使います。
相撲協会が発行する番付や・取組表・星取表などはすべてこの「○○月場所」形式で書かれています。
本場所は江戸時代には、年に二場所が定着していたが、その後、四場所になったり一場所に代わりながら昭和三十三年に現在の六場所制となった。
巡業
「巡業」は、本場所と本場所の間に、普段は相撲を生で観ることのできない地方や、外国まで出向いて行う興行のこと。
巡業では、本場所では見ることのできない、横綱の綱締めの実演や、大銀杏の結い方実演、また相撲の所作を禁じ手を交えながら滑稽な動きで演じる「初っきり」(しょっきり)、相撲甚句などの余興も楽しめます。
上記のことを思い出しながらの観戦は、また興味がかわり面白く感じると思います。
さて、今年は何回観戦に行けるだろうか。
参考:世界の力士(33代 木村庄之助)