長時間の使用を抑えて、頭も心もスッキリ「デジタルデトックス」
「デジタルデトックス」の言葉は若い人たちにとっては耳が痛いことでしょう。
「デジタルデトックス」
デジタルデトックスとは、一定期間スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスとの距離を置くことでストレスを軽減し、現実世界でのコミュニケーションや、自然とのつながりにフォーカスする取り組みです。
スマホなどを取り上げて、完全に手元から切り離すのではなく、使うルールを決めて健全にデジタルと付き合うために行うことです。
現代人とスマホ
現代では、電車に乗ると80%~90%の人がスマホを見てたり、明らかにゲームをしていることがわかる指の動きをしたりして、その光景をみると気持ちが悪くなることもしばしばあります。
また、歩きながらだったりの「〇〇ながらスマホ」は相変わらず多いですね。
僕は電車の中では、スマホは見ません。
それほどの急ぎはないのと、この電車の中の時間が頭の中をボーッとするいい空間だと思っています。
このことはある研究で、ボーッとすることは頭の中が明晰になるということにつながるそうです。
長時間使用の影響の調査
ある調査結果を紹介します
小学3〜4年生14465名を対象に行った調査によると、小学3〜4年生のスマホ保有率は63.3%に及ぶ。
- スマホを持っていない、また、持っていてもほとんど使わない、使用を1日1時間未満に抑えている子どもたちの多くは、平均点より高い成績を収めた。
- スマホを1時間以上使用している子どもたちの成績は、平均点より低い傾向が見られた。
これだけを見ると、スマホを1時間以上使用している子供たちが勉強していないとか、睡眠時間が満足ではない、と考えがちですが、スマホを1時間以上使用している子どもは長時間勉強して睡眠時間を確保していても、やはり平均点より低い傾向が見られたという。
これは、過去の小学5年生〜中学3年生を対象とした同様の調査よりも顕著だったという。
まちがいなく、長時間のスマホ使用は学力に悪影響を及ぼすと言えそうだ。
今の子供たちには、我々の時代と違い各自の部屋が与えられている。その部屋にこもり勉強をしているのかと思いきや、スマホを持ち込みSNSのやり取りをしたりで忙しく、まったく集中できないで成績がガタ落ちした例は珍しくない。
「ゲーム依存」は、2018年にWHO(世界保健機構)によって病理と認定された。ゲーム依存症患者は、恐ろしいことにアルコール中毒、ギャンブル中毒患者と脳の状態が酷似しているという。
さらに恐ろしいことに、ゲームやSNSだけでなく、スマホの存在自体で集中力が削がれることもわかっている。
気になる実験
米テキサス大学の心理学者エイドリアン・ウォード氏は次のような実験を行った。
800人の被験者に対して問題を解かせる実験で、参加者には
- スマホを机の上に下向きに置く。
- ポケットやバッグの中に置く。
- 別の部屋に置く。
のように無作為に指示し、そのうえで、数学の問題を解いたり、無作為な文字列を記憶させたり、複数の画像からパターンを見いださせたりさせた。
その実験の結果、別の部屋に置いた者は、机の上に置いた者よりずっと高い点数となり、ポケットやバッグに入れた者よりもわずかに高い点数となった。
スマホがオン・オフどちらであろうと関係なく、途中で通知があったわけでもない。
つまり、スマホが目の前にあるだけで気が散り、集中力が散漫となり認知能力が下がるということを意味しているのです。
スマホがあるということだけで、われわれは認知能力に統計的に有意なマイナスの影響を受ける。それは睡眠不足と同程度になるという。
先に紹介したように子どもの成績低下などにつながるだけでなく、大人も仕事の集中力や能力低下につながる可能性が高いとウォード氏は警鐘を鳴らしている。
現代ではとても便利な、そしてなくてはならないスマホです。
デジタルを有効に使うことが、これからは子供たちと一緒に大人が率先して考え、行動してやるべきことではないでしょうか。
iPhoneなどを発明したスティーブ・ジョブズも子どもたちにはデジタルデバイスを与えなかったといいます。
これを書いているときに、気になるインドの国のことが紹介されていましたので、あらためてまとめてみますね。