無意味な情報に規則性を見出す人は騙されやすい
「ピザの表面にキリストの顔が現れた!!」
アメリカの新聞には年に1、2回このような記事が載って驚かしてくれる。
これは、知覚作用のアポフェニア(SApophenic)の一種で、パレイドリア(Pareidplia)現象と言う心理現象です。
無意味な図形の中に、人の顔のような意味ある形状を見出してしまう現象のことです。
アポフェニアとは
1958年にドイツ人の心理学者クラウス・コンラッドが統合失調症の前駆症状を詳細に記述し、患者が最初に妄想を経験したという事実を反映するために、(ギリシャ語のapo [離れた場所] + phaenein)新語を作り出した。
引用:Wikipedia
規則性のない無意味な情報の中から、規則性や関連性を見出す知覚作用のことです。
迷信というわけでもないが、現代のわたしたちの心にも根付いていて、データサイエンスト(情報科学理論を活用してデータを分析、有益な知見を見出すプロフェッショナル)にとってやっかいな悩みの種なっている。
人間の脳は驚くほどパターン検知に優れている。脳にはさまざまなメカニズムがあるおかげで、物体や事象、人の間の隠されている関係を明らかにできている。
しかし、そのパターン検知システムが狂って検知できずになると、実在しないパターンを誤って見いだそうとするのです。
その傾向は持病のある人や教養のない人だけではなく、健康で教養のある人でも定期的に間違いを犯しているという。
パレイドリア
前述したパレイドリアでは、一般的に空の雲を見て、その形から動物や顔、花などなんらかの物体を思い浮かべたり、月を見て人やウサギを想像してみたり、録音した音楽を逆再生したり早く再生したり、遅く再生して隠されたメッセージが聞こえてきたりすることがある。
オーバーフィット
オーバーフィットとは、機械学習モデルが、トレーニングしているデータに対して過剰に適合した結果、他のデータセットへの適応性が失われた場合に発生します。
元のデータに特化しすぎているので、将来的に収集したデータに適用しようとしても、問題のある予測や誤った結果が生成され、最適とはいえない決定が下されてしまいます。
ギャンブラーの誤謬
サイコロやおパチンコ、コイントスなどにおいて、ずっと同じ面だけが続くと「そろそろ違う面になるはずだ」となんお意味もなく考えてしまう心理現象です。
有名な話は1913年モナコのモンテカルロで起こったことです。
ルーレットでの出来事ですから赤が出るか黒が出るか、確率は50%ですね。
そのことは、黒の目が15回連続して出たことから始まった。
15回も続けて黒が出たのだからと周りのギャンブラーたちは、もうそろそろ赤の目が出る頃と、赤に賭けました。
しかし、ルーレットは黒の目を出したのです。
その後も、黒が続き20回を越えた頃には、ルーレットの周りには人が集まり興味津々です
今度は間違いなく赤だろうと信じる人たちが、赤に賭けるようになりました。
しかし、まだ黒の目が出て周りを嘲笑うように黒を出し続けます。
そうして、ようやく「赤の目」が出ました。
なんと、そのルーレットは連続で27回も黒の目を出し続け、ギャンブラーから大金を巻き上げたのです。
そんなことから「モンテカルロの誤謬」とも言われている。
隠された意味
なんでもない数字の羅列に規則性を見出したり、勝利と靴下につながりを見出す。
自分の生年月日と偉人の生年月日を関連づけたりする。
易断や占いは、大抵の人が意味のない偶然の出来事とみなすであろう目に見える分かりやすいパターンにしばしば基づく。
アポフェニアに意識する
このように、根拠のない規則性を発見しようとすることは、騙されやすい人が多いので気をつけましょう。
日常的に起こるということを意識していたほうがよいです。
なぜならば、次のように誰もが、一度は自分の世界観に応じて見出すことが多いからです。
- このことはやれということか、
- これは間違いなく天からのメッセージだ
- これが神様からの導きなのか
- このことはやめるべきということなのか
- この負けは今朝、転んだからだ
- 勝利の女神はポケットの中のお守り
などのように決めつけることが多い。それでも結果が良くなれば良いのですが、そんなことばかりに気を使い、意味を過剰までにこじつけ、現実をおろそかにしてしまうと非常に困難な場面を迎えることになりがちです。
現実を大事にして、きっとあなたの役に立つように上手に活用しましょう。