日本神話の神の話
日本の神話にに出てくる神は、八百万の神
八百万(やおよろず)の神は、神々がゾロゾロと勢ぞろいしているわけではなく、たくさんの神々たちがいるという意味です。
系図を見てもわかるように、神々の多さや神々の多様な役割には、驚くばかりです。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)の間には最初に蛭子神(ひるこのかみ)が生まれ
それから次々に子供たちが誕生しその数は20柱にもなる。
それから、禊(みそぎ)のときにうまれた天照大御神(あまてらすおおみのかみ)は日本神話の主神となり、素戔嗚尊(すさのおのみこと)といった神々も誕生している。
ギリシャ神話では、虚空や深遠を意味するカオスが誕生しカオスからガイア(大地)タルタロス(冥界の最深部)エロス(原初の力)が生まれる。
その後、ガイアはひとりで3人の子を生んだあとにウラノス(天)との間に18人のこどもたちを生む。
さらに、神話の世界は続きますが、日本の神話もギリシャの神話も最高の神が誕生し,
それから、たくさんの神々たちが登場している。
ギリシャの神話と日本の神話の大きな違いはギリシャには血なまぐさい「復讐」の連鎖がありその結果、最終的にゼウスが天空の支配者となり君臨した。
日本は復讐の連鎖はない。
強いてあげるなら、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が乱暴狼藉を働き、高天原(たかまがはら)を追放されたことぐらいです。
その、素戔嗚尊(すさのおのみこと)も出雲の地では豊葦原(とよあしはら)の実現に精を出し、支配権を天照大御神(あまてらすおおみのかみ)に奉還している。
豊葦原とは、日本国の美称。
引用:コトバンクより
日本の八百万の神々は、血で血を洗うような事はなく多様化して共存共栄していたのです
いざなぎといざなみの神話
神話の時代、この国を「葦原の中つ国」と考えていた。
中つ国とは、真ん中の国という意味で、中つ国の上にも下にも世界があった。
- 上の国は神々が住む「高天原」(たかまがはら)
- 下の国は死者たちの「黄泉の国」(よみのくに)
高天原に最初に出現した神は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)で宇宙の根源をなす神とされている。八百万の神々の先駆者であり、その頂点に君臨する神とされている。
そして宇宙の生成にかかわった「造化の三神の神」が続いた。
- 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
- 高御産巣主神(たかみむすぴのかみ)
- 神産巣日神(かみむすびのかみ)
ここから、おなじみの神が登場です。
高天原の初めての男の神、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と女性の神、伊邪那美命(いざなみのみこと)が結婚した。
日本列島誕生
そして、八つの島々を生んだ。
- 淡路島
- 四国
- 隠岐の島
- 九州
- 壱岐
- 対馬
- 佐渡島
- 本州
日本列島の誕生です。
これを「国生み」(くにうみ)といいます。
8つの島が誕生したが、荒涼とした大地だった。
そこで、夫婦の神は豊かな土地にしようと多くの神を生んだ。
- 海の神
- 山の神
- 水の神
- 土の神
- 風の神
- 木の神
- 穀物の神
- 作る神
など
それらの神々が、豊かな自然を作り夫婦の神は地上の万物を生成していった。
これが夫婦神の「神生み」(かみうみ)です。
葦原の中つ国は別名「豊葦原の瑞穂の国」ともいう葦の生い茂るような水辺、みずみずしく稲穂がしげる瑞穂を表現している。
伊弉諾尊(いざなみのみこと)が最後に生んだ神は火の神の火之迦具土神(ひのかぐちのかみ)で、出産直後命を落とし、黄泉の国に去った。
去るときに伊弉諾尊(いざなみのみこと)は、夫の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)に「黄泉の国で私の姿を見ないように」と伝えたが、伊弉諾尊は彼女を救おうとして黄泉の国を訪ねた。
そこで見たものは、ウジにたかられた妻の醜悪な姿だった。
醜悪な姿を見られた伊弉諾尊(いざなみのみこと)は激怒し、夫を殺そうとする。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)は地上に戻り黄泉の国の穢れを清めた。このときに、左の眼を洗った時に天照大御神(あまてらすおおみのかみ)が、右の目を洗うと月読命(つきよみのみこと)が,鼻を洗うと、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が出現した。
天照大御神は太陽の女神であり、高天原を治め、月の神の月読命は夜の世界を、素戔嗚尊は海を治めよと命じられる。
天照大御神と月読命はその命に従ったが、素戔嗚尊は亡き母に会いたくて泣くばかりだった。
素戔嗚尊は姉神の天照大御神に別れを告げに高天原に昇るがこの時、大地や山河が揺れ動き、母への思いで涙を流すと山は枯れ、海や川も干えあがってしまった。
彼はさらに姉のいる神々の世界で乱暴狼藉を働き怒った天照大御神は天岩戸に身を隠し、高天原はたちまち闇夜に包まれた。
素戔嗚尊は高天原から追放された。
これが、天の岩屋の神話であり「古事記」「日本書記」に記されている。
神々の世界ではありますが、男の神と女の神が結婚して子供をたくさん生むイメージは、とても新鮮で身近な感覚ですね。
そして夫婦の愛憎、親子の絆の物語がつづられています。
あらためて神話の世界に浸ってみると神の世界ではありますが、人間界が繰り広げるドラマを見るような感覚になります。
たくさんの神話があります。是非ご一読を
今回は、下記の書籍からかなり抜粋しました。
参考:神様と神社(井上宏生著)