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旬の野菜 春を味わい高栄養価

スーパーに並ぶ食材は、年中陳列されているので、それぞれの食材はいつが旬なのか、よくわかりませんね。

日本には四季があり、その季節ごとにそれぞれの野菜や果実などが旬をむかえます。 

旬な野菜や果実は同じ食材でも栄養価が高く、身体によいことがが明らかになっています。
旬のものは、旬でない時期のものに比べ含有量に約2倍の差があるというデータもあります。(女子栄養大学調べ)

例えば

ほうれん草:

旬は冬期で、旬の冬に採れたものに比べ、旬ではない夏に採れたものはビタミンCの含有量に約4倍の差があります。

最大の栄養価は12月採れで、最小の栄養価は9月採れです。

トマト:

旬は夏期で、β-カロテンの差が顕著で、旬のものは、旬でない時期のものに比べ含有量に約2倍の差があるというデータもあります。
最大の栄養価は7月採れで、最小の栄養価は11月採れです。

トマト

にんじん:

最大の栄養価は6月採れで、最小の栄養価は1月採れです。その含有量の差は、2.5倍でした

 

ブロッコリー:

最大の栄養価は3月採れで、最小の栄養価は8月採れです。その含有量の差はなんと、4倍でした

 

昔からの知恵

昔からのことわざに「春の皿には苦味を盛れ」があります。

栄養学などがなかったころから、日本では食で健康を養う「食養生」という考え方があったのです。
言い伝えの中で特に重要だったのが、「旬のものを食べる」でした。

このことわざから言えば、「春には春の食材を食べましょう」ということになりますね。

冬眠する動物は、寒くなる冬までに栄養を溜め込んで冬眠に備えます。
人間も同じように、冬の寒さから身を守るために脂肪を溜め込むようになります。

やがて、寒さが遠のき、暖かさを感じる春に近づくころは、身体に溜めていた脂肪や毒素などの老廃物を出します
その役目をになうのが、山菜などの春野菜ということになります。

熊も春野菜

冬眠から目覚めた熊が一番初めに口にするのは「ふきのとう」といわれます。

ふきのとう

本能的に熊もふきのとうの苦みを体内に取り入れることを知っていて、眠っていた体を覚醒させているものと思います。
ふきのとうやうど、こごみ、たらの芽などの山菜には、特に苦味やえぐみが多く含まれています
この苦味やえぐみはポリフェノール類などによるもので、新陳代謝を高めて体から老廃物を出し、体を目覚めさせてくれます

また、山菜だけでなく、独特の苦味やえぐみが含まれている、春が旬の菜の花や筍などにもあるんす。

 

「旬」を辞書で引くと

魚貝類,蔬菜(そさい)(野菜),果実などが最も美味な時期をいい、漁獲量、収穫量の多い出盛り期がそのまましゅんであることが多い。魚では生殖期直前の脂ののった時期であることが多く,蔬菜では収穫期の初めのころである。しゅん以前のものは〈走り〉〈初物〉,しゅん過ぎのものは〈しゅんはずれ〉と呼ばれたが,遠洋への出漁による漁獲や促成栽培の日常化により,日本人の食生活をいろどっていた季節感は薄れ,しゅんもまた失われつつある。

引用:世界大百科事典 第2版

とあります。
 
その通りで、かつて、庶民は季節の野菜を「いち早く食べたい」と通を気どり「走り」を好み、旬の終わりに「来年まで味わうことができない」と惜しみつついただく「名残」などを大切にしていました。
 
これが、日本の食文化でしたが、最近の栽培技術の進化や輸送の発達などで通年流通の野菜が増え続けてます。
 
 
日本人の野菜の摂取量は、厚生労働省が推奨している「1日350g」の野菜を摂取するという基準から約60gを不足していると発表。
 
詳しくは、こちら 気になる野菜の60g不足
 
とかく、外食になりがちであることや野菜は水洗いをしてカットしてと手間がかかるので敬遠されがちになっていることもあり、特に共働きの家庭では気をつけましょう。
 
野菜を摂取することを意識すると、確かにバリバリ食べた記憶が出てきません。
 

春キャベツ

 

 
特に食の細い人は、旬の栄養の知識を持ち食の選択が必要です。
一年中ある野菜を食しているからと言って栄養バランスが整うわけではありません
旬であるかどうかが、栄養バランスを保つ秘訣のなるのです。
 
効率よく栄養を取るには、冷凍野菜を利用するのも一つの手段です。
そのわけは、冷凍野菜の多くは旬の安い時期に大量購入して冷凍しているからです。
ミネラルは元素ですから壊れませんし、ビタミンも1年間くらいはほとんど減少しません。ですから、時期はずれの野菜よりも冷凍野菜の方が栄養価が高く、冷凍野菜を賢く利用するのも一つの手です。

 

旬の野菜と旬ではない野菜とは、形は同じでも栄養価は全く別物のようです。
季節の野菜の旬を見極めて(通常より価格が安いなど)食するようにしましょう。

 

参考:独立行政法人農畜産業振興機構 日本educe総合研究所daiei

 

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