しっかり目を開けて夢を見よう

星月夜の意味を誤解してませんか

星月夜の意味

星月夜・ほしづきよ・ほしづくよ」は、
よく間違えやすい言葉です。

ほとんどの人が、星と月が出ている夜だと
思っているようです

正しい意味は、

月は出ていないが星が明るく輝いている夜

Oxford Languagesの定義より引用

そうなんです、月は出ていないけど夜空の
満点の星の明りで、月夜のように明るく感
じられる夜のことなのです。

ゴッホの代表作のひとつ「星月夜」のタイ
トルで有名な大作には、大きな丸い光が描
かれていますが、あれはすべて星です

ゴッホは星の明るさをその大きさで表現し
ています。


ゴッホの「星月夜」

月が冴える

夜空の月や星が、曇りがなく見事なほど
きれいに見えているときの美しさは誰も
が認めます。

しかし「はっきり見える」とただいうだけ
では、相手によく伝わりません。

その澄み切った空気の中でその美しい姿が
鮮明に見えているイメージを表現できる言
葉は「冴える」ではないでしょうか。

月が冴える」は、よく使われる言葉です。

昨夜の月は、見事に冴えて綺麗だった」の
ように使います。

まわりが澄んでいて、遠くまでハッキリ見え
ることを「冴え渡る」といいます。

また、光や音、色などに混じりけがなく澄み
きっていることを「冴え返る」といいます。

引用:国語辞典より


月が冴える

その清澄さをさらに強調したいときに使わ
れますね「冴えわたる星々」と用いれば、
キラキラきらめく満天の星が目に浮かんで
きます。

冴える」は、動詞ですが、お月様や星が
浮かぶ空についても「冬の空が冴える」と
いってもいいです。

冴える」は、曇りのない状態を広く指す
言葉で、そこから「とてもよく頭が冴える
冴えない顔している」といった表現も生ま
れています。

この「冴える」の元は「冴ゆ」という動詞で
これが変化した形容動詞が「さやか」です。

さやか」の意味は、やはり「澄んで美しい
ことです。

さやか(清か)は、さや(清)で、か(性質)
です。

明るい・はっきり・さわやか・高く澄んだ音
などの意味を持ちます。

 

大和言葉と月

よく使われる言葉「月が冴える」と「月影が
さやか」という言い回しは、いわば兄弟のよ
うな言い回しです。

この場合の「月影」は月の放つ光、あるいは
光を放つ月そのもののことです

これは、大和言葉で「」には「」という
意味もあり「星影」も星の光のことです。

大和言葉の中に、月のことで
いま、月はだんだんふくらんでいる
いや、もう満月を過ぎて縮んでいるよ
のような会話があります。

  • この膨らんでいる時期の月を「上り月
  • 縮んでいる時期の月を「下り月
  • その間に挟まる満月は「望月・もちづき
    といい
  • 新月・しんげつ」は「新月・にいづき」

です。

夜空を見上げて、明るく感じる時は「冴え
わたる」きらめく冬の空です。

あたたかくしてじっくり眺めてみては
いかがでしょう。

 

参考:国語辞典和語の里、日本の大和言葉を美しく話す(高橋こうじ著)

 

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