哺乳類の4種に1種がなぜ絶滅の危機なのか
共有資源の大事
世界の共有資源は誰もが気をつけて消費しないといけない。
何も考えずに好きなように使ってしまうとあっという間に資源は枯渇してしまう
それだけではなく生物学者のギャレット・ハーディンの言う「共有地の悲劇」になってしまう。
共有地の悲劇とは、
共有の資源をすべての人が無遠慮に消費してしまうと、その資源を利用する全員が同じように被害を受ける。
また、少数の人間が共有資源を濫用し、その結果、他の全員が被害を受ける事態も起こりうる。
とされ、無秩序な乱獲などはもってのほかです。
キーストーン種
生物の中には「キーストーン種(中枢種)」と呼ばれるものがいます。
これは動物学者のロバート・ペインの作った用語です。
ペインは1960年に北太平洋の潮間帯の生態系からヒトデを取り除く実験により、キーストーン種の生物の存在を証明した。
潮間帯とは
高潮時の海岸線と低潮時の海岸線の間の帯状部分。
低潮時は干上がって陸地となる。
ペインの実験によるとパープル・シースターと呼ばれるヒトデを排除していった
捕食者のヒトデがいなくなると、その獲物となるイガイ(二枚貝の一種)が異常に植え、生物の多様性が急減する
ことがわかった。
- ヒトデがいなくなる⇒
- イガイが殖える⇒カイメンとの競争に勝つ
- カイメンがいなくなる⇒
- ウミウシもいなくなる⇒
- イソギンチャクは殖える
というような現象が起き、コミュニティは崩壊してイガイだらけになる。
「キーストーン種」とは
このヒトデのように、生息数はさほど多くないにもかかわらず、生態系に大きな影響を与える生物種を指す。
ブリティッシュ・コロンビア大学環境経済学ポスト・ドクターのジェニファー・ジャケは人間のコミュニティーにつ
いても同様だとしている。
病気や寄生生物が潮間帯におけるヒトデのような役割を果たしていると考え病気が減れば、人類は地球を占拠する
ほどに増え続ける。
人間の数が大幅に増えれば地球の環境は大きく変化をする。
そして、キーストーン種は人間の世界にも特定の資源の市場の性質を決定づけるような少数の集団が存在している
と思っている。
ごく一部の人たちの過激な消費が危機に追いやっている。
たとえば、キャビア、アツモリソウ、トラのペニス、プルトニウム、霊長類(ペット)、ダイヤモンド、抗生物質
ハチドリ、タツノオトシゴなど。
カエルの脚の市場は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアのごく一部に消費者がいるだけの隙間市場です。
しかし、そのせいでインドネシア、エクアドル、ブラジルなどの国でカエルが、激減するほどの影響が出ている。
レストランんでシーフードを食べる人たちは多くはない。
それでも、南極付近のオレンジラフィー(深海魚)やメロといった魚の資源量が激減している。
裕福になった中国の消費者が大量のフカヒレスープを消費したため、数種類のサメが激減している。
現在は、ほ乳類の4種に1種(地球上にいる5487種のほ乳類のうちの1141種)は、絶滅の危機に瀕している。
タスマニア・タイガー、オオウミガラスステラーカイギュウなど16世紀以降に、絶滅したほ乳類は少なくとも76種いる。
その多くは、比較的、小規模の集団の狩りによって絶滅したのです。
世界的規模の話ではありますが、振り返ってひとりひとりが ”キーストーン者”になっていないか、注意を怠らないことが重要ですね。
なぜなら人間には、たとえごく小規模の集団であっても、あらゆる種の生物を絶滅させるほどの影響力があるからです。
参考:科学者はこう考える(ジョン・ブロックマン著)、Wikipedia