犬は1日何食が最適なのか正解は
動物愛護法の改正
2022年6月1日から犬猫にマイクロチップの装着が義務ずけられました。
マイクロチップは直径 2㎜、長さ 1㎝で15桁の識別番号が記録されたマイクロチップです。
これは、動物愛護法の改正で、国のデータベースに、識別番号とともに業者名、犬や猫の名前や性別、品種、毛の色を登録することが必要となります。
あらたに、犬や猫を購入する飼い主も氏名や住所、電話番号などを30日以内に登録しなくてはいけません。
この施行により環境省は、迷子になったり災害で離れ離れになったりしても飼い主の元に戻すことにつながるほか、無責任な飼育放棄の防止にも効果が期待できるとしています。
令和2年4月1日~令和3年3月31日(2020年4月1日~2021年3月31日)の1年間の期間で動物愛護管理行政事務提要より作成された環境省の資料によると引き取り数は約72、000頭で、そのうち犬が約27,600頭、猫が約44,700頭になります。
異常に多い数です。
今回の改正で、少しでも放棄される犬猫がなくなればと期待したいです。
犬の1日の食事回数は?
ところで、犬を飼っている人に質問です。毎日の犬のご飯(餌)は、何回あげていますか?
ほとんどの人は、人間と同じように朝、昼、晩の3回か、朝晩の2回という解答だと思います。
アリゾナ大学の第一著者で犬の健康研究者であるエミリー・ブレイが率いる研究チームは、1万匹以上の飼い犬を犬の老化プロジェクトという広範囲にわたる継続的な犬の健康調査によって収集されたデータから研究報告されています。
研究報告
研究によると、1日に1回だけ給餌される成犬は、より頻繁に給餌される犬と比較して、健康のあらわすいくつかの評価基準に有意に良いスコアを示す傾向があります。
「性別、年齢、品種、その他の潜在的な混乱要因を管理すると、犬は頻繁に給餌されるのではなく、1日1回給餌されると、認知機能障害スケールの平均スコアが低くなり、胃腸、歯科、整形外科、腎臓/尿の確率が低くなることがわかりました。と肝臓/膵臓の障害」
引用:sciensealert、
この結果は、研究者たちにとっても意外な結果だったようです。
このことは、餌をあたえる回数が少ない犬が健康になるというだけではなく、「健康でない犬は給餌回数が多い」という事実もあるということを考慮しなければならないことです。
しかし、この大量のデータは飼い主の自己申告制であることと、カロリー計算などはされておらず、その辺は考慮しなければならない。
ライフステージによる回数
犬や猫の年齢によって、1日に与える餌の回数は考えた方が良いようです。
それは、どちらかというと消化器官の発達具合と加齢による衰えなど胃腸への負担を軽くするという考え方です。
- 授乳期(生後~3週間)母乳を飲んで育つ。
- 離乳期(生後約 20 日~ 60 日)犬用や猫用の離乳期用フードが良い。
- 成長期(それぞれに合うフードが販売されている)
*小型犬(生後約 50 日~ 10 ヶ月程度)
* 中型犬(生後約 50 日~1年程度)
* 大型犬(生後約 50 日~1年半程度)
* 超大型犬(生後約 50 日~2年程度)
* 猫(生後約 50 日~1年程度) - 成犬・成猫期(成長期以降の7年間程度)
- 高齢犬、 高齢猫期(約7歳~8歳以降の時期をいう)
のように、ライフステージがあり犬や猫では、 成長段階によって、 必要とするエネルギーの量が違います。
このため、 市販のペットフードの多くは、 ライフステージに合わせた栄養設計がされています。 各ライフステージに合わせて食餌の管理が大事です。
上記の研究結果は、1日1回の給餌が犬の健康に何かしらのいい影響を与えることはわかったものの、そのメカニズムは明確ではない。
なので、あわててすぐに変更はせず、この研究結果の裏づけがされるまでは従来通りの餌の回数であげることが良いと思います。
通常成犬で1日2回がよいとされています。
1日1回のデメリットを考えると
- お腹が空きすぎて胃液を吐きやすくなる。
- ドカ食い・早食いにより胃腸に負担をかけてしまう。
- 愛犬が空腹感を感じている時間が長くなってしまう。
などがあり、その子の体調を観ながら1日4回にして1回の食事量を減らすようにするとかなり解消されます。
成犬で、1日2回の食事回数の場合、お腹が空きすぎて胃液を吐いたり、ドカ食いや早食いしてしまうなど胃腸への負担が顕著の場合は1日に食事回数を3回にして食事量を減らすことがおすすめです。
あくまで胃腸の負担を考えてあげることが大切です。
参考:ナゾロジー、環境省、Sciencealert、わんわんパピーズ