冷や麦、素麺、うどん
冷や麦と素麵
子供の頃は暑くなるとよく冷や麦を食べました。
大きなどんぶりに冷や麦をいれ、皆で食べるわけですが、その中にピンクの色の麺が入っていると取り合いでした
その後いつごろからでしょうか、冷や麦より細めの素麺(そうめん)が主流となりました。
冷や麦も素麺もうどんと同じように、小麦粉を練って作られ、太さや長さの違いがあるが米食の代わりとなる庶民
の食べ物です。
うどんと蕎麦
うどんは古くから祝い事に振る舞われる「ハレ」の食物として日本全国で食べられてきた。
よく聞く話では、東京では蕎麦を好む人が多く、関西ではうどんを好む人が多いと言いますね。
昔から、江戸グルメと言えば蕎麦。これは江戸時代の末期の風俗を記録した随筆にもはっきりと解説として書かれている。
しかし、江戸時代の前半では京や大阪の上方と同じように江戸でもうどん屋が主流で、蕎麦はうどん屋がうどんの
販売のかたわらでそばを売っていた。
現在でも関東地方各地では、うどんが伝統食品とされていて加須、水沢、桐生、東村山などは古くからうどんの名
産地として有名です。
江戸時代前半の江戸は関東各地周辺とともに、京や大阪と同じような「うどん文化圏」だったのです。
それがいつ頃からでしょうか、うどんと蕎麦の人気が逆転してしまった。
「蕎麦全書」という書物が寛永4年に刊行されています。
すごい寛永4年は1751年で250年以上も前に蕎麦の製法や、江戸の蕎麦屋の実態などが書かれているのです。
きっとその頃は、蕎麦の人気も最高でしょうし、活況を呈していたことだと思います。
この頃に江戸で麺類を扱う飲食店の多くが、うどん屋に代わって蕎麦屋と名乗り始めた考えられている。
「うどん蕎麦屋」といった呼び方が、あるように江戸時代を通してうどん食文化は江戸でも市民権を保ってい
たのです。
ところで、「日本三大そば」といえば
- 島根県の「出雲(いずも)そば」
- 岩手県の「わんこそば」
- 長野県の「戸隠(とがくし)そば」
が認知度も高くお決まりです。
日本3大うどん
では「日本三大うどん」というと、これが結構難しいのです。
- 香川県の「讃岐(さぬき)うどん」
- 秋田県の「稲庭(いなにわ)うどん」ここまではすんなり誰もが認めるところです。さて、もう一つの候補が複数あり、なかなか甲乙つけがたいようです。
- 群馬県の「水沢うどん」
- 長崎県の「五島うどん」
- 富山県の「氷見うどん」
- 愛知県の「きしめん」
などがあります。
前述のように、うどんは日本全国で祝い事にも食されていた。
ということは各地で生産され、各地によって調理法や具材が違うのです。
それぞれが名品ということになります「〇〇3大」も良いですが、うどんのようにこれと決めつけず各自にあったもので良しとしましょう。
最後にそれぞれの特徴です。
- 香川県の「讃岐(さぬき)うどん」
うどん県として有名です、コシがありモッチモチの食感が特徴でつゆは「イリコ」を使う。 - 秋田県の「稲庭(いなにわ)うどん」
寛文五年(1665)から作られているうどん。
手延べの麺は細く、平べったい形状で、生地をしっかり熟成する工程を挟むことで独自のコシを生み出しています。 - 群馬県の「水沢うどん」
群馬県・伊香保の名物で、その歴史は伊香保にある水澤寺にて参拝客に手打ちうどんを振る舞ったことに始まります。讃岐うどんのようなしっかりとしたコシと弾力が特徴で、ざるうどんで食べるのが一般的。 - 長崎県の「五島うどん」
中国から伝わったといいう長崎・五島の名物。
うどんと言うより素麺に近い細さと、つるつるした食感が特徴で、「地獄炊き」という、お湯で炊きあげたうどんをあごだしのおつゆにつけて食べるのがおすすめです。 - 富山県の「氷見うどん」
石川県能登で生まれた、輪島素麺の技法「手延べ」「手打ち」を用いて作られている氷見うどん。
麺はうどんとしては細めですがコシがあり、喉越しの良さが特徴です。 - 愛知県の「きしめん」
一般的なうどんに比べて幅が広く、薄い形状が特徴です。
コシは弱くツルツルっと滑らかに食べられ、茹でると透明感もアップ。やわらかながらほどよい弾力も持っていて濃いだし汁が似合います。うどんはバリエーションが豊富ですね使用する器もにぎやかです。
- 丼(かけうどん)
- 皿(うどん鉢など)
- ざる(ざるうどんなど)
- 鍋(鍋焼きうどん)のほか
- 桶(うどん桶)
- たらい(たらいうどん)などがあります。
さらには、カレーうどんまでありますね。
うんちくはどうあれ、まずは、おいしくいただきましょう。