アマガエルの鳴き声と時期は雨の日
雨蛙・ニホンアマガエル
「蛙」の季語は春ですが、「雨蛙」や「蟾・ひきがえる」は夏の季語に分類される。
雨蛙(ニホンアマガエル)は体長が、2.0㎝~4.5㎝程で小型です。
メスのが大きく、通常オスは4㎝以下で鼻筋から目、耳にかけて褐色の太い帯が通っている。
カエルというと普通は水辺で生活をしていると思われるけど、ニホンアマガエルは草の上や樹上に棲み春から秋まで活動し、冬は温度差の少ない地中で冬眠する。
保護色でよく知られていて、黄緑、緑灰褐色などまわりの環境、温度、湿度明るさに応じてホルモンを分泌し、皮膚の色素細胞を変化させることで変化する。
アスファルトの上にしばらくいると灰褐色になるから面白い。
前足に4本、後ろ足に5本の指があり、この四肢の指の吸盤がよく発達し、枝から枝へ飛び移ったり、ガラス窓の高い所にも平気で登り昆虫などを食べる
雨が降りそうになりると一斉に鳴くのでこの名がついた。
敏感な皮膚で、湿度や気圧の変化を感じ、雨が降ることがわかると考えられている。
その皮膚はつるつるした粘膜で覆われ外部の細菌から守るために毒が分泌されている。
普通手で触ることには問題がないが、傷ついた手で触ったり、触った手で目などをこすらないように気を付けなければいけない。
ほとんどが水中に卵を産むので、雨は生存には欠かせない。
「広告音」
ニホンアマガエルの鳴き声は
- 「ゲッゲッゲッゲッ・・・」
- 「クワックワックワッ・・・」
という表現であらわされる。
鳴くのはすべてオスで、オスの喉には声嚢(せいのう)・鳴のうという柔らかい袋があり、それを大きく膨らませ共鳴させて音を大きくしている。
春はカエルの繁殖期で夜の水田には、たくさんのカエルの声がこだまし集団での大合唱になることもある。
この繁殖期の鳴き声は、オスがメスに自分の存在を報せるためのもので、これを「広告音」と呼ぶ。
さまざまな声が混ざっていても、目の後ろにある丸くて大きな鼓膜でメスは仲間のオスの声を聞き分け、居場所を探すという。
普通のカエルは繁殖期の夜にに鳴くがニホンアマガエルはその名の(雨蛙)通り雨が降りそうになると繁殖期でなくとも昼までもなくのが特徴です。
この時の鳴き声は「雨鳴き・あまなき」「レインコール」などと呼ばれ、繁殖期の広告音とは区別されます。
蟇・ヒキガエル
日本最大級のカエル「蟇・ひきがえる」は、体長は約7~15㎝で、ずんぐりした体形で四肢は短く、跳躍力は弱い。
水かきの発達も悪く繁殖期以外はあまり水に入らない。
目の後方にある耳腺が発達していて、ここから分泌液を出す。
この分泌液を加工し作った軟膏を江戸時代から明治時代にかけて香具師(やし)たちが街頭で傷薬として売っていた。
「さあ~さあ~、お立合い! 御用とお急ぎでなかったら・・・」と始まる「陣中膏ガマの油売り」の巧みな口上で人を集めて人気でした。
コマーシャルでおなじみの「求心」の主成分にはセンソ=ガマの油を使用している。
この成分は、一匹あたり、たったの数十mgしか採れない貴重なものだそうです
このヒキガエルには、ニホンアマガエルのような声嚢(せいのう)・鳴のうは、残念ながらありません。
子どもの頃は、よく鳴き声を聴いたりオタマジャクシを飼って、成長を見て楽しみました。
また、飼ってみたくなりますね。
参考:Wikipedia、季節ものしり事典(新海均編)