蓮(ハス)の花と仏教は清らかな心の象徴
蓮(ハス)の花
仏教では蓮の花の性質が仏様の慈悲を表わしているとされ、また清浄な花と信じられています。
そのため、お寺の境内に蓮の花を植えるようになりました。
お釈迦様をはじめとした仏像の台座も蓮の花の形をしたものが多くあります
蓮の花言葉は「清らかな心」「神聖」です。
泥水の中から立あがり美しい花を咲かせることに由来します。
まさに、仏心に寄り添う花ですね。
インド原産のハス科の多年生水生植物
蓮の花は夏、初夏というには暑くなってから、でもうだるような真夏の暑さになる前という頃に咲き始めます。
花の中心にできる花托(かたく)が特徴的で、その形状が蜂の巣に似ていることから「はち巣」となり「ハス」と
呼ばれるようになったといわれてます
蓮根(れんこん)は、ハスの地下茎です。
今や世界中に広まり、様々なモチーフとして使われたりシンボリックに使われることが多いです。
ハスの開花時間は、早朝から咲き始めお昼頃には閉じてしまいます。
朝から昼までが観賞できる時間帯ですが、お昼過ぎに開いている蓮の花があったら、それはその日を最後に散って
しまう花です。
午後の蓮池で、ふっくらと大きく丸みを帯びた蓮の蕾があったら、午前中に咲いていて翌日も咲く蓮の花です。
真水に近いようなきれいな水だと小さな花になり、泥水が濃ければ濃いほど大輪の花を咲かせるといわれています
「ロータス効果」
蓮の葉は表面の化学的特性により、決して濡れることがない。
葉の表面についた水は表面張力により水銀のように丸まって水滴となります
そして、葉の表面についた泥や、小さな昆虫やその他の異物を絡め取りなが
ら転がり落ちます。
いわゆる、自助浄化をします。
このことを「ロータス効果」といいます
古来インドではインダス文明の頃から蓮の花は聖なる花とされヒンドゥー教の神話やプラーナ聖典などにおいて、特徴的なシンボルとして繰り返し登場してくる。
インド、スリランカ、ベトナムの国花で、エジプトでも蓮と睡蓮を併せて再生と復活の象徴とされている。
蓮はギリシャ神話にも登場します。
ギリシャ神話では、ニンフのロティがプリアポスという神の求愛から身を守るために蓮に、その姿を変えたという逸話もあります。
「空海」と「東寺」と不動明王
蓮の花を見ると自分は、空海弘法大師とともにあらわされた「東寺の謎」という書籍に中の一説が必ず浮かんで来
ます。
空海弘法大師が59歳になられた年に、高野山の金堂が完成し法要を行った。
それから2か月後に高野山に隠棲(いんせい・静かに暮らすこと)すると決められた。
その最後の旅たちの時、寺の西にある大門に向かい、まさに門を出ようとしたその時・・
空海がみずからの念持仏として西院に祀っていた不動明王が、見送りに来たのだ。
不動明王の目からは、いまにも涙がこぼれ落ちそうだった。
眉間にしわを寄せ歯を食いしばるその顔は、苦しいほどに空海との別れを惜しんでいる。
足もとには蓮の花が咲き、歩いていた足跡にも蓮の花が咲いていたという。
それ以来、この門は「蓮華門」といわれている。
蓮華門の名の由来として、長く東寺に伝わる伝説です。
少し早起きして蓮の花を眺めて清らかな気持ちになりましょう。
参考:Wikipedia、仏さまが伝えたかったこと(岡本一志著)、東寺の謎(三浦俊良著)