変化するストレス反応
環境の変化とストレス
コロナ禍の動的自粛、人員削減、「働き方改革」パワーハラスメントなど、、現代が抱える問題点は多様性を生み、大きく環境の変化に戸惑いを隠せません。
こうした変化に伴い、仕事でストレスを感じている労働者の割合やストレスそのものの内容も大きく変化して来ました。
厚生労働省が5年に1回実施している「労働者健康状況調査」によると「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者の割合は
- 1982年・・50.6%
- 1987年・・55.0%
- 1992年・・57.3%
- 1997年・・62.8%
- 2002年・・61.5%
- 2007年・・58.0%
- 2012年・・60.9%
と、推移しています。
働く人の約6割の人が何らかのストレスを感じながら仕事をしているということになります。
この、割合を年代別に見ると2012年の調査結果では
- 20歳代・・58.2%
- 30歳代・・65.2%
- 40歳代・・64.6%
- 50歳代・・59.1%
- 60歳以上・46.9%
で推移しています。
働き盛り世代の30歳代、40歳代のストレスが高いことがわかります。この傾向は男女ともに共通しています。
また、ストレスの内容は具体的に見ると2012年の調査結果では
- 人間関係・・41.3%(男性35.2%、女性48.6%)
- 仕事の質・・33.1%(男性34.9%、女性30.9%)
- 仕事の量・・30.3%(男性33.0%、女性27.0%)
- 会社の将来性(男性29.1%)
- 昇進、昇給問題(男性23.2%)
- 定年後の仕事・老後の問題(男性22.4%)
など、高い割合で訴えています。
ストレスとは
もともと、物理学の分野で使われていた言葉で、物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態をいいます。
医学や心理学では、心や体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、ストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じたさまざまな反応をストレス反応と言います。
みんなの心や体に影響を与えるストレッサーには
- 「物理的ストレッサー」には、暑さや寒さ、騒音、混雑など
- 「科学的ストレッサー」には、公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰、一酸化炭素など
- 「心理・社会的ストレッサー」には、人間関係、仕事上の量や質、対人関係など
いろいろな要因のストレッサーがある。
ストレッサーによって引き起こされるストレス反応には3つに分けられる
- 心理面:活気の低下、イライラ、不安、抑うつなどがある
- 身体面:体のふしぶしの痛み、頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動機や息切れ、胃痛、食欲低下、下痢や便秘、不眠
- 行動面:飲酒量、喫煙量、仕事のミスや事故、ヒヤリハットの増加など
などがあり、ストレス反応が長引いたり、症状が重い場合には、専門医に相談をすると良いです。
ストレスが処理できずに、そのままでいるとストレスは増幅してしまい、心も体も侵されることになります。
ストレスが強くなってくると、特に心拍数や血圧の異常を引き起こし、そして、不安や恐怖などの心理的負荷を感じることになります。
ストレスに対処する行動をストレスコーピングといいますが、自分だけでなく、家族や友人、会社の上司や仲間と相談しながら解決する方法を見出しましょう。
日頃からストレスが発散できるよう、趣味や生きがいとなるものを持つことも大事ですね。そして、問題解決のために協力してもらえる人間関係の構築も重要となります。
参考:こころの耳・厚生労働省、