地球幸福度指数(HPI)で世界一の国は
HPI(地球幸福度指数)とは
地球幸福指数(HPI:Happy Planet index)は、イギリスの環境保護団体のFrienndsof the Earthが、2006年に紹介したといわれる。
イギリスのシンクタンク、ニューエコノミクス財団(NFO)が、3〜4年ごとに公表している。
「持続可能な幸福」を測る指標のことで、国民の満足度や環境への負荷などから「国の幸福度」を算出される。
HPIは次の4つの算出要素がある。
H P Iの算出基準
- ウェルビーイング:各国の住民が生活にどれだけ満足しているか
- 平均寿命:各国で予想される平均余命年数
- 国内格差:寿命や幸福度の観点から各国内で生じている不平等
- エコロジカル・フットプリント:各国の住民一人一人が環境へ与える影響
このようにHPIは国の発展度合いを測るGDP(国内総生産:国内の生産活動を数字で表したもの)やHDI(人間開発指数:国内の住民生活の質や発展度合いを表したもの)などを測るものではない。
あくまで人々の暮らしの満足度や、環境資源を効率的に使っているかなどから幸せの持続可能性が導き出される。
いわば「環境に配慮しつつも人々が長く幸せに暮らすにはどうすればよいのか」とい観点に立ち考えている
GDP(国内総生産)に替わる次世代の指標として注目を集めている。
HPIランキングと世界一
2016年版の順位です(カッコ内は前回2012年版の順位)
1位 🇨🇷 コスタリカ(1位)
2位 🇲🇽 メキシコ(22位)
3位 🇨🇴 コロンビア(3位)
4位 🇻🇺 バヌアツ(ー)
5位 🇻🇳 ベトナム(2位)
6位 🇵🇦 パナマ(7位)
7位 🇳🇮 ニカラグア(8位)
8位 🇧🇩 バングラデシュ(11位)
9位 🇹🇭 タイ (20位)
10位 🇪🇨 エクアドル(23位)
以下気になる主要国
12位 🇳🇴 ノルウェー(29位)
15位 🇪🇸 スペイン(62位)
16位 🇮🇩 インドネシア(14位)
18位 🇳🇱 オランダ(67位)
20位 🇵🇭 フィリピン(25位)
23位 🇧🇷 ブラジル(21位)
24位 🇨🇭 スイス(34位)
32位 🇩🇰 デンマーク(110位)
34位 🇬🇧 英国(41位)
37位 🇫🇮 フィンランド(70位)
38位 🇳🇿 ニュージーランド(28位)
44位 🇫🇷 フランス(50位)
49位 🇩🇪 ドイツ(46位)
50位 🇮🇳 インド(32位)
56位 🇧🇹 ブータン(-)
58位 🇯🇵 日本(45位)
世界1位は太平洋とカリブ海に面する自然豊かな国のコスタリカです。
しかも、2009年、2012年、2016年の3回連続で1位を独占しています。
GDPは決して高くはないが(2019年のGDPは191カ国中78位)世界有数の環境先進国として知られる。
コスタリカ国は、経済成長のために熱帯雨林の伐採をすすめ、環境や生態系を脅かしていた。
政府は反省とともに1996年、許可なく伐採を行うことを禁止し、熱帯雨林の保護と植林を開始し、破壊から再生へと大きく方針を転換した。
また、現在ではプラスチックフリーとカーボンニュートラル国家の実現に向け電力はほぼ100%を再生エネルギーで賄っている。
さらに、エコツーリズム推進や化石燃料使用の削減などにも取り組み、国民にも地球にも優しい国づくりを進めている。
経済の発展が人々に幸福な暮らしをもたらすと信じてきたが、ますます広がる貧富の差、安定しない経済、気候変動による環境悪化の脅威などにさらされている
日本のHPI
日本の名目GDPは3位だがHPIでは58位
- 平均寿命は世界2位
- 国内格差は18位
- ウェルビーイングは39位
- エコロジカル・フットプリントは109位で、環境負荷の大きさは、大変な遅れを
とり、順位を下げている。
今までのような経済成長だけにとらわれず、人々の真の幸福を実現すべき、国のあり方に期待したい。