サンクコストとコンコルド効果
コンコルド効果とは
コンコルドは開発した飛行機の名前です
イギリスとフランスが共同開発がすすめられた定期運航路線を持った唯一の超音速民間旅客機で世界的に注目をしました。
その名の通り、大西洋横断にかかる時間を今までの飛行時間を半分に短縮し、かなりの高度で飛ぶ機内から眺めると地球が丸く見えたと言います。
しかし、燃費が悪くチケット代が高額で技術的な問題も多く、赤字になることがわかっていながらも開発がすすめられた。
負債が大きく開発は中止となり開発会社は倒産しました。
このことはサンクコスト効果ともいわれ準備段階から採算ベースにのらないことがわかっていました。
しかし、いったん動き出した計画を途中で止めることができず、運行を開始した結果、さらなる赤字に追い込まれることになりました。
身近にもよくある話です
- 例1
数か月前に、なかなか手に入らないコンサートチケットを手に入れたが、明日の開演を前にして熱を出し寒気がするのです。
風邪を引いたようで明日のコンサートはどうするか考えてしまいます。
- 今回はあきらめて自宅で静養する
- 多少、無理でもコンサートに行く
貴方なら、どちらを選びますか。
サンクコスト(埋没費用)とは過去に払ってしまい、もはや取り戻すことができない費用のことです。
「もったいない」と思いがちになりますが、結論をだすにはこのサンクコスト(埋没費用)のことは切り離して考
えなければいけないのです。
- 例2
映画の鑑賞券を1800円で購入しましたが、なくしてしまいました。
どこを探しても見当たらないので、もう一度、鑑賞券を買うべきかどうか。
鑑賞券を買ったということは少なからず興味やその価格に見合う価値を感じていたはずです。
一方で、紛失してしまった鑑賞券の代金は埋没費用にあたるから、2度目の選択においては判断材料に入れないことが合理的です。
したがって、もう一度鑑賞券を購入してでも、1800円以上の価値がある映画を観るのが経済学的には合理的な選択となります。
しかし、人は最初に買った1800円と今回、再度購入する鑑賞券の1800円を足した3600円で考えてしまい、それだけ
の価値があるのかと思うのが普通のようです。
- 例3
これは、僕、自身が強烈に感じたことがあり、頭に血が上ることもしばしばでした。
ギャンブルです、特にパチンコはそうでした。
もともと、勝てることの少ないパチンコで(僕だけかもしれませんが)、「もう出るだろう」「これだけつぎ込
んだから」「先日は出ていたのに」と躍起になってつぎ込んでしまいます。
大逆転などめったにないことは、頭ではわかっていても、止めることができないで、大損をしてしまいます。
コンコルドの心理状態に陥ってしまうと上限を決めて始めても「もう少し」と痛みを膨らませてしまうのです。
対応策は
自分でコンコルド効果に陥っていると気付いた時点で、これまで投資してきた分をすべて切り捨て、執着心なども
断ち切ります。
損切ですが思い切って行動しましょう白紙から考える「ゼロベース思考」で捉えることも重要です。
それにより過去を引きずることなく、現状からどうしようかと考えられるようになります。
限度額を設定してその金額に到達したら、どんな状態でもやめるようにしましょう。
コンコルド効果は社会心理学の「認知バイアス」のひとつです。
よく理解して、対応策を考えましょう