トレードオフとは「一得一失」
トレードオフとは
得もあるが、その一方では損もあること。利益にもなるが損失もともなっていること。都合のよい点もあれば、悪い点もあること。
引用:Wikipedia
日本語にすると「一得一失」(いっとくいっしつ)ということ。
この他にも「一長一短」「一利一害」などの言葉もありますね。
ビジネスにおいても日常生活の中でも頻繁に起きる現象です。
ビジネスでは
製品で高品質にすると価格が上がってしまう、逆に低価格を目指すと品質は上がらない。
在庫を多く持つと、売れ残りやスペースの確保、人の手をわずらわす
在庫をすくなくすると、在庫切れで販売機会の損失になる
日常生活では
「時間をどのように使うか」がよく議論されます。
旅行や好きな趣味に使うと当然お金を使うことになります。
ビデオカメラなどでは、品質と時間、品質とバッテリー(重さ)
一般的には、ある状況で固定できるのは、3つのうち2つのみであるとされている。限られた資金で品質を上げるには、大量の時間が必要となる。
鉄道の駅と所要時間
駅の数を増やせば増やすほど駅を利用する人が多くなり、また、目的地に近い駅で降りられるようになる。反面、駅での停車時間や加速・減速で速度が出せなくなりスピードが遅くなる時間が増えるため、平均速度が下がり、移動に時間がかかるようになる。
所要時間をみじかくするには、急行や特急のように途中の駅を通過するか駅を少なくする必要があるが、すると利用できる人が制限されたり、目的地に近い駅がない状態になったりする。
引用:Wikipedia
水道
水を水道管で流す場合、太い水道管を使用すると、たくさんの水を流すことができる。しかし、その反面、管の費用は高くなり、送水ポンプの圧力も高くなる。そのため、それに必要な費用も大きくなる。
逆に、水道管を細くすると、送水に必要な費用は少なくて済むが、少ない量の水しか流せなくなる。このように、水量の多さを重視すると費用が犠牲になり、費用の安さを重視すると流せる水の量が犠牲になるという関係にある。したがって、流せる水量の多さと費用の安さは、トレードオフの関係とされる。
政治・経済
- 失業率が低下すると物価が上昇する
- 福祉への公的支援の拡大すると一般国民の税の負担が増加する
- 経済成長率の高まりと環境破壊の進行してしまう
- 公的な支援は審査を甘くすると不正受給が増える
- 不正支援を排除するために審査を厳しくすると正規受給者までも排除させられる
経済成長の高まりは、技術革新であったりしますが、現代のCO2問題なども世界的なトレードオフになりますね。
「一得一失」
「一得一失」は中国の南宋時代に無門慧開(むもんえかい)という僧が書いた仏教書「無門関(むもんかん)」に出てくる言葉です。
「無門関」の第二十六則に、法眼禅師(ほうげんぜんし)という人物が登場します。彼は、法眼宗という中国の宗派の創始者です。その法眼禅師が僧達といる際に、突然部屋にあったすだれを指差しました。
すると、2人の僧がそのすだれを巻き始めました。法眼禅師は、「一得一失(片方は合格だが、片方は不合格だ)」と言いました。書かれている内容はこれだけなのですが、この話には様々なとらえ方があると言われています。
引用:スッキリ
1つは、下手だと言われたのがどちらの僧なのかわからないため、自信がない者は焦ってしまうという解釈です。その焦る心こそが不合格だということです。
もう1つは、物事には良い面と悪い面があるという解釈です。そのため、誰かが良くて誰かが悪いと決めつける事は、本質から外れているというとらえ方もあります。
このような法眼禅師の言葉から、「一得一失」という四字熟語が生まれました。
目先のトレードオフばかりに意識しすぎると、細かいことに気をとられすぎて、より重要な考え方とのトレードオフを見失うことになりかねません。
狭い事柄の中の奥深くを追求するのではなく、先々の予測を踏まえ安全性やリスク回避など別の見方も必要となります。
禅の教えでもある「一得一失」は物事の本質をとらえているので、よく意味を理解し意識を炊く持ちましょう。