自浄式洗浄器「Jerry」は数百万人の命を救えるか
深刻な水問題
WHO(世界保健機関)によると、世界中で7億8000万人がきれいな飲料水を利用できない状況です。
主に開発途上国で、毎年推定801,000人の5歳未満の子供が下痢で亡くなっています。これは、毎日約2,200人の子供たちが亡くなっているということなのです。
安全でない飲料水、衛生のための不十分な水の利用、および衛生状態へのアクセスの欠如は、下痢性疾患による死亡の約88%ににも及びます。
そんな状況を踏まえ、オランダの設計エンジニアのオリビエ・デ・グライターとコンサルタントのエイセ・ファン・マーネンは、ジェリカンに装着するためにつくられた自浄式浄水器「JERRY」を開発した。
「Jerry」と呼ばれる自動浄水機能を備えた洗浄器は、1本で1L分の水を濾過し、水に含まれるバクテリアやウイルスを99%除去する小型で子供でも簡単に操作できる浄水器です。
この浄水器の「Jerry」は、すべての標準のジェリカン(携行燃料容器)に差し込み直接水をくみ上げることができます。ジェリカンは水の輸送・保管に広く使われています。
「JERRY」は水をジェリカンから使用するその瞬間に濾過するフィルター付きのポンプです。
Jerryの特長
- JERRYは、水からバクテリア、ウイルス、寄生虫を取り除き、10.000リットル以上の水をろ過することができます。
- JERRYは、子供でも使用できるように、ポンプの労力を制限しながら、毎分2リットルの推定量を供給します。
- JERRYは、ポンプストロークごとに自動的に洗浄され、追加のメンテナンスは必要ありません。
- JERRYは、重量と体積が小さいため、輸送コストが削減されます。
- JERRYは、自動洗浄機能も搭載されたフィルター付きのポンプです。
- JERRYは、メンテナンスフリーです。
便利で安全な使用
ユニセフと世界保健機関の報告書によると、世界では3人に1人が安全な飲料水を利用できない状況にあるという。
この「JERRY」によって、5年間で100万人に安全な飲料水提供を目指しています。
「JERRY」を水を貯めるジェリカンの口に取り付ければ、フィルターとしてだけでなく蛇口としても機能する。
少ない力でポンプを2回ストロークするだけでグラス1杯分の水を濾過できるため、子どもやお年寄りでも簡単に利用できる。
多くの地域で水質の汚染やそもそもジェリンカ自体が不衛生で汚れていたり、そのまた両方もあるという。
この「JERRY」を使用することによって、水をジェリカンから使用するその瞬間に濾過するため、安全な水が手に入る。1本で約1万ℓの水を飲料水にかえることが可能だという。
そしてさらに便利なのは、オランダのデルフト工科大学との共同研究により、このポンプを使うごとにフィルターを自動洗浄するセルフクリーニング機能が搭載されていることです。
これにより、よくある製品を維持するための複雑な手入れは必要なくなり、フィルターの寿命を最大限伸ばしてくれる優れものです。
水問題を回避する
主な利用が水不足な地域であると考えると、最小限の洗浄で済むのは重要なポイントになります。
現在は、イラクの難民キャンプで製品試験をかねてテストを行っている。この画期的な製品ができあがれば、安全な飲料水が確保でき、大いに威力を発揮するものと期待されている。
地球温暖化による、干ばつや異常気象などによる洪水などの水害が懸念され、さらに水問題が深刻化する可能性があります。
私たちもよく理解して、水問題に悩む人々を応援していきましょう。