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2022年・春分の日は

春分の日

内閣府は春分の日を「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とした祝日です。
祝日法の制定時には、昼夜の長さが等しく、「自然のあらゆる生命が若々しく盛り上がる時」であるため、異議なく採用されたとされています。

引用:政府広報

2022年の「春分の日」は、3月21(月曜日)です。

春分の日と秋分の日があり、それぞれの日を中心に、前後3日ずつ。あわせて7日間が彼岸です。

この時節を彩る花も、春は彼岸桜秋は彼岸花(曼殊沙華・まんじゅしゃげ)とそれぞれに色を添えている。

冬眠していた生き物がウズウズし始め草花が芽吹き、誰もが待ち遠しかった春の息吹を感じ、自然に感謝し気力が
満ち満ちて来る時期です。

彼岸会

現代の彼岸は、「彼岸会・ひがんえ」のことで、春分・秋分の中日に先祖の霊を敬い墓にお参りして菩提を弔います。

この形は江戸時代に定着し、盂蘭盆会(うらぼんえ)と並ぶ大切な年中行事とされています。

この彼岸会の風習は仏教の行事ですが、インドや中国にはなく、日本独自に発展していったものだった。

ただの「彼岸」というと、これは春の彼岸を指します。秋の彼岸は「秋彼岸」または「後の彼岸」と言うのが本当なのです。

春分の日は毎年変わります
国立天文台が定めた日付を前年の2月1日に政府が発表します。

2022年の春分の日は

  • 3月21日 彼岸の中日(春分の日)のように国立天文台が発表しています

暑さ寒さも彼岸まで、冬の寒さも春分の日を境に本格的な春がやって来ます。

春分の日は太陽が真東から登り真西に沈み昼間の時間と夜の時間がほぼ同じ時間」になり、太陽が上がっている時間が長くなっていきます。

お彼岸

仏語の「彼岸」は、彼方の岸の意味で、さらにそこにある理想郷をいう。

此岸はこれ世間、彼岸はこれ涅槃」といい、現世から河を隔てる彼方の悟りの世界に到ろうとするが、河が象徴するのは煩悩なのです。

すなわち、彼岸(あちら)と此岸・しがん(こちら)の行き来がもっとも通じやすい日になると考えられ「極楽浄土とこの世が最も近くなる日」といわれてきた。

最近では春分の日を「お彼岸」と呼ばれるようになりましたね。

お彼岸

彼岸の語源は、サンスクリット語の「パーラミター」といい、この仏教語の「パーラミター」を音写語にしたのが「波羅蜜」ハラミツ「波羅密多」ハラミタで仏教には重要な概念です。

現代訳では「完成、完全」と訳していて「波羅蜜」は仏教では「彼岸に到達した」と理解されている。

悟りの岸に到るという意味で、「到彼岸・とうひがん」(彼岸に到る)と目指す悟りの境地に到達する意味を込めて用いることが多い。

そのため、悟りの境地である彼方の岸に到達することで、その境地から明けることは無いことから、「彼岸入り」はあっても「彼岸明け」という言葉は使わないとか。

つい使っちゃいますね、気をつけましょう。

お彼岸のお供え物は「おはぎ」

お彼岸にふさわしいお供えものといえば「ぼたもち」と「おはぎ」ですね。

ぼたもちやおはぎに使われているあんこの原材料は小豆(あずき)です

赤い色の小豆は、栄養価に優れているだけでなく、縁起物ともされた大変高価な食材でした。

古代中国から赤色を魔除けや長寿を願う色とされてきたのが理由です。

そのため、死者や祖先を思い起こすお彼岸に、小豆をたっぷりと使ったあんこでつくられたお餅を供えたのです。

これらの名前は、彼岸の頃に咲く牡丹(春)と萩(秋)に由来すると言われる


おはぎ

彼岸の中日に祖先に感謝をして、残りの6日は悟りの岸に到るのに必要な6つの徳目の「六波羅蜜・ろくはらみつ」を1日1日修めていく。

六波羅蜜というのは

  • 布施(フセ)親切
  • 持戒(ジカイ)言行一致
  • 忍辱(ニンニク)忍耐
  • 精進(ショウジン)努力
  • 禅定(ゼンジョウ)反省
  • 智慧(チエ)修養
    をいい、お経の中にはたくさんの良いことが説かれています。

そのお経の中のありとあらゆる諸善を6つにまとめた教えです

六波羅蜜のそれぞれを簡単に説明すると

  • 布施
    全てを惜しみなく人々に施そうとする心
    自分さえよければよいという考えではなく周りの人の幸せを思いやること。
    自利利他」他人を幸せにすると、自分も幸せになる。
  • 持戒:
    仏さまが示された戒めを大切に守ろうとする心

    言ったことはやる。できないことは約束しない。
  • 忍辱:
    どんな辛いことにも耐えようとする心

    怒りは無謀に始まり後悔に終わる。
  • 精進
    一生懸命努力しようとする心

    正しい努力をする。正しい生き方。
  • 禅定:
    心静かに落ち着いて物事を見つめる心。
    雑念を祓い、心を静め定めること。
  • 智慧:
    因果の道理で、仏性に目覚める心。
    物事をありのままに見て正しく判断すること。

    この、6つのうちの、どれか自分に合ったものを一つ、一生懸命やれば、全部やったことになるといいます。大変ありがたいことですね。
六波羅蜜

最後にこの6つの反対の言葉は

  • 布施⇒ 慳貧(ケチ)
  • 持戒⇒ 破壊(約束を破る)
  • 忍辱⇒ 瞋恚(いかり)
  • 精進⇒ 懈怠(なまける)
  • 禅定⇒ 散乱(心が散り乱れている)
  • 智慧⇒ 愚痴(恨んだりねたんだり人のせいにする)

ケチをつけて、約束も守らないすぐカッとなって、やらなければならないこともほったらかし、自分本位で
人のせいにする。ではなく

人のためになることを行動し有言実行で心静かに聞く耳を立て率先してやるべきことをこなし、いつも冷静に自分
を磨き上げることが大事ですね。

お彼岸は、聖徳太子の頃から始まったという説もあり、「源氏物語」にもあらわされて、とても「よき日」とされています。

季節も移り変わり、ご先祖様に感謝し、六波羅蜜を思い出しながら心を込めて手を合わせましょう。

参考:Wikipedia、仏教漢語50話(興膳宏著)、内閣府「国民の祝日について」

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