金木犀とダイエット効果
三大香木の一つ
強い香りの花をつける3つの樹木は「三大香木(さんだいこうぼく)」といわれ
- 金木犀(キンモクセイ)
- 沈丁花(ジンチョウゲ)
- 梔子(クチナシ)
です。
金木犀は庭木だけでなく街路樹や公園でもよく見かけますね。
見かけたら、その香りを嗅いで楽しみたいものです。
「秋の香り」といわれる甘い芳香を漂わせるのが、黄色い小さな花を咲かせる、金木犀(キンモクセイ)です。
原産地は中国で、日本には江戸時代に渡来しました。
学名は「オスマントウス フラグランス」です。
学名は、その植物が属する「属名」とその植物の特徴をあらわす「種小名」の二つの語から成り立ってます。
「オスマントウス」はモクセイ属を示し、ギリシャ語の「香り(オスメ)」と「花(アントス)」から成り立ってます。
「フラグランス」は「芳香を放つ」で「オスマントウス フラグランス」はギリシャ語で「芳香を放つ花」という意味になります。
日本の和名「金木犀」は、橙色の花を金色に見立て、白い色の花は銀色で「銀木犀」です。
動物のサイの皮と似て
「木犀」の「犀」という漢字はサイとも読み動物のサイにも使われています
「なぜ、動物のサイ(犀)の文字が、この植物に使われるのか」というと動物のサイの皮膚と、木犀の樹皮が似ていることに由来しています。
英語名でも、香りが強い花なので「オリーブのような香りを漂わせる木」という意味で「フレグラント・オリーブ」です。
中国名は「九里香(キュウリコウ)」ともいわれてます。
まさに「香りを9里離れた場所まで漂わせる」という意味です。
金木犀は、一昔前にまだトイレが汲み取り式のときに、公園などのトイレの横によく植えられていました。
確かに金木犀は香りが強いので、トイレのにおいを消してくれます。
また、秋の香りとして印象深いので、金木犀の花は秋の間、ズッと長く咲いているように思われがちです。
しかし、花が咲く期間は意外と短く、5日~10日間ぐらいです。
ダイエット効果の香り
その金木犀の香りにはダイエット効果があると発表したのが2007年3月に、大阪大学と株式会社カネボウ化粧品の研究グループが発表しています。
この研究によると金木犀の香りを沁みこませた餌を25日間毎日食べたラットの体重は香りを沁みこませない餌を食べていたラットの9割だった。
また、香りを染みこませた紙をケージの下に30分置くと「オレキシン」という物質が低下し、食事や水の量が減ったというのです。
「オレキシン」は、食欲を促す働きのある物質です。
結局、金木犀の香りを嗅ぐとオレキシンの量が減り食欲が低下して、体重の増加を抑えられるのです。
香りの実験
また、20代~40代の女性5人に12日間金木犀の香りを沁みこませたガーゼを鼻から吸い込まれるように胸ポケット入れてもらった。
他の5人にはガーゼを入れなかった。
すると、ガーゼを入れなかった5人に比べ満腹感が高く体重や体脂肪は減る傾向があった。
金木犀の香りを嗅いだ5人の平均体重が1.4kg減りました。
すごいことですね。
今後が楽しみです。
街を歩いていてどこからか漂う強い香りについ、どこに金木犀があるのか探してしまいます。
日本には雄株だけが存在し、そのために種子は作られません。
挿し木で簡単に増やせる事ができ丈夫で育てやすく、半日陰のようなところに植えると良く、日当たりが悪いと花付きが悪くなり、日当たりが良すぎると葉焼けを起こす。
金木犀を市区町村の気に指定している、自治体が多い。
花が咲いた後、雨風があるとあっけなく散ってしまうはかない金木犀。
可憐な花と香りと樹皮にも注目してみてはいかがでしょう。
参考:Wikipedia、かぐわしき植物たちの秘密(丹治邦和・田中修著)