都内の街路樹の種類とランキング
街を歩いていると、たくさんの種類の街路樹が植えられていることがわかります。
街路樹とは、街に作られた街路(市街地の道路)に沿って植えられている樹木のこと。
街路樹の目的と働き
1.夏の日差しをさえぎったり、排気ガスや騒音をやわらげ、道路沿いの環境を守ります。また、災害の時には避難する道の安全を守ります。
街路樹は都市特有の現象として問題となっている「ヒートアイランド現象」の緩和に貢献しています。2.ドライバーの視線をみちびいたり、まちの目印になって、安全でスムーズな交通を守ります。
無機質になりがちな都市の空間に、うるおいを与えています。3.まちを美しく彩るだけでなく、美しい花やあざやかな黄葉が季節の移り変わりを知らせてくれます。四季折々の変化する街路樹は身近な自然のキャンパスです。
4.いきいきとした緑は野鳥や昆虫を呼び、都市の自然が心に落ち着きとやすらぎを与えてくれます。
引用:東京都建設局
街路樹の歴史
日本では奈良時代から、植えられた並木を初の街路樹とされるが定かではない。
各時代に並木が植えられ
- 平安京にヤナギとエンジュが約17メートル間隔に植えられ、地方にも果樹の並木が植栽された。
- 鎌倉時代にはサクラ、ウメ、スギ、ヤナギの並木が植えられた。
- 戦国時代には、織田信長が旅人の安全、快適な交通を確保するために並木道を作ったと言われる。
- 江戸時代には、五街道(江戸・日本橋を起点に伸びる東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道の五つを指す)など道路網が整備され、マツ、スギ、ケヤキなどが植えられた。
- 街道には並木が作られるとともに、1里(約4キロメートル)ごとに一里塚が造られ、距離の目印、休憩場所として利用された。
また、約1万2500本が現存する日光杉並木(現在の栃木県)はギネス世界記録に認定されている
街路樹ランキング
都道
- イチョウ 27,593本
- ハナミズキ 20,154本
- トウカエデ 17、087本
- プラタナス類 14,287本
- ケヤキ 10.458本
国道
- イチョウ 7,297本
- プラタナス類 1,838本
- マテバシイ 1,786本
- ケヤキ 1,470本
- ハナミズキ 1,328本
東京都内全体
- ハナミズキ 62,472本
- イチョウ 60,114本
- サクラ類 43,453本
- トウカエデ 35,692本
- ケヤキ 29,319本
東京都内の街路樹本数 1,012,077本【令和3年4月1日現在】
(ツツジなどの低木は除外)
東京都建設局より引用
イチョウとハナミズキが頑張ってますね。
イチョウ
イチョウは、約2億年前に中国で生まれ、十数種類が栄えていたと考えられています。
しかし、氷河期をむかえ、生き残ったのは1種類だけでした。
そんなわけでイチョウは、同じ科や属がいない、一科一属のさびしい植物です。
イチョウの木は、さっそうと背を伸ばして直立しています。近年は、「虫がつかない」「大気汚染に強い」などといわれて、街路樹や公園、神社、仏閣によく植えられています。
時として、ご神木として崇められています。
ハナミズキ
ハナミズキは、高さ3~10m ほどになり春には赤、ピンク、白などの「苞・ほう」(花のねもとにつく小形の葉)が見える。
この苞の中心にある黄緑の小さなツブツブが花で、球状に固まっている。
花期は長く、モダンな明るさを放って人気がある。
北アメリカの代表的な花木で、日本から桜を送った返礼として、1915年に合衆国から贈られ、日比谷公園などに植えられたのが最初のようです。そのハナミズキの花言葉は「返礼」「私の思いを受けてください」です。
東京都は東京市成立100周年を記念して1989年にイチョウを東京都の木に決定しています。
ハナミズキは候補にもなっていなかったが、東京都建設局によると2015年にハナミズキが本数で1位になっている。
参考:東京都建設局、Wikipedia、季語ものしり事典(新海均著)