- 第3位は、米国屈指の実業家兼政治家マイケル・ブルームバーグ氏=寄付額は16億米ドル(約1700億円)だ。寄付先は多様で、ブルームバーグ・フィランソロピーズを通して行う。
歴史的黒人大学医学部や、新型コロナウイルスの影響で困窮生活を送る人など、また公衆衛生プログラムへの支援を行った。 - 継続的に慈善活動を続けていることで、日本でも知られるビル&メリンダ・ゲイツ夫妻は第13位に入っている。
2020年には、推定合計1億6000万米ドル(約170億円)の寄付をゲイツ・ファウンデーションを通じて行った。
1994年から現在に至るまでの寄付金の総計は548億米ドル(約6兆円)にも上るという。寄付先は多岐にわたるが、2020年は特にコロナの予防接種や治療法の開発をサポートしている。
クロニクル・オブ・フィランソロピー社専門会社の調査によると2020年の寄付額ランキングトップ50人の寄付をした団体などは今までにない多様性を示したという。
コロナのパンデミックが社会情勢を反映したが、トップ50人の複数の人たちがコロナ感染拡大抑制に貢献する団体に寄付をしている。またフードバンクや、ホームレス支援団体も寄付先に選ばれている。
「ブラック・ライヴズ・マター(BLM)」運動(アフリカ系アメリカ人のコミュニティに端を発した、黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える、国際的な積極行動主義の運動)も、コロナを背景に世界各地で盛り上がった。
それを受け、歴史的黒人大学や、有色人種が経験している窮状を救う組織への支援が目立った。
また寄付者にもある傾向が見られた。1つはランキング50人中の約3分の1に当たる16人がテクノロジー産業で財をなしている。そしてもう1つは、50人中20人がカリフォルニア州に居住しているとのこと。
世界の寄付指数
英国の慈善団体、チャリティーズ・エイド・ファウンデーション(CAF)による「世界寄付指数」(2019年)
3つの質問で総合的に判断してランキングを決めている。
- 「助けを求めている見知らぬ人を助けたか」
- 「お金を寄付したか」
- 「慈善団体などのために自分の時間を割いてボランティアを行ったか」
「世界寄付指数」によると、米国は過去10年間、世界で最も寛大な国と評価されてきた。ちなみに「お金の寄付をしたか」という問いに、「した」という回答を寄せたのは、61%に上った。
19世紀末から20世紀初頭にかけて慈善事業は近代化になり、鉄鋼、石油、鉄道、電信、自動車産業で富を築いた多くの個人や家族からの大口の寄付によって成り立つようになった。
ニューヨーク・カーネギー財団、ロックフェラー財団、さらにフォード財団も創設されている。
SNSが広まっている現代では、慈善団体はそれを活用している。
「クラウドファンディング」もこのころになると認知度が上がり、利用する団体が出てきた。
スマートフォンの広まりは、どこにいても寄付ができるようになり、募金活動も情報を発信している。
富裕層に限らず自己(自社)の利益の追求だけでなく、社会を構成する責任ある我々一般市民も寄付を理解し取り組みをするように心がけましょう。