日本三景の松島の観光は魅力いっぱい
江戸時代初期に儒学者の「林春斎(はやししゅんさい)1618年から1680年」が記した「日本国事跡考」の中に素晴らしい景色として「日本三景」が紹介されています。
日本三景は、日本の三つの名勝地(めいしょうち)という意味で、文化財の種類のひとつとして、芸術上・観賞上価値が高い土地として文化財保護法によって指定されたものです。
日本三景は
- 宮城県の「松島」
- 京都府の「天橋立」
- 広島県の「宮島」
の三つの古くから名勝地として親しまれてきたのです。
日本三景は昭和27年(1952年)に特別名勝に指定されています。
日本は四方を海に囲まれていますが、同じ海でも環境が違い、それぞれに特徴ある地域となります。
ましてや、東北の松島、近畿の天橋立、中国の宮島とかなり距離が離れ、海も太平洋、日本海 、瀬戸内海と景色も潮も獲れる魚も異なります。
宮城県の「松島」
松島は、万葉の昔より歌枕として「風雅の地」松島と用いらてきました。
松島周辺の陸地は川や海によって削られ複雑に入り組んだ「リアス式海岸」で複雑な入り江と松島湾に浮かぶ大小さまざまな260余島の島々が素晴らしい景観となっています。
松島四大観(まつしましだいかん)
この名所を松島の四大観(しだいかん)から眺めることができます。
- 壮観な大高森(おおたかもり)(標高105.8m)
山頂からは男性的な嵯峨渓と女性的な松島湾が望めます。
松島の形状を箱庭のように見られることから壮観といわれています。 - 麗観な富山(とみやま)(標高116.8m)
山頂の大仰寺には奥州三観音の一つ富山観音があります。
寺のその庭からは静寂な趣の中で松島を大観できます。
明治9年には、明治天皇も登られたことのある由緒ある場所。 - 偉観な多聞山(たもんざん)(標高55.6m)
太平洋から打ち寄せては砕け散る波が眺められ、 その雄大さを偉観と名付けた。
塩釜港に出入りする大小の船舶の往来も楽しめます。 - 幽観な扇谷(おうぎだに)(標高55.8m)
山頂からは松島湾の入り江が扇のように浮かんで見えることから、 扇谷と呼びます。
松島の全景が眺められるポイントのひとつ。
松島といえば俳句で有名ですね、松尾芭蕉の「松島や ああ松島や 松島や」ですね。
ところが、この俳句、実際は松尾芭蕉が詠んだのではなく、芭蕉が松島に訪れ、あまりにも素晴らしい絶景を見て、俳句がすぐに浮かばなかったそうです。
その絶句した芭蕉のようすを江戸後期の狂歌師の田原坊(たわらぼう)が、遊び心いっぱいに「松島や さて松島や 松島や」と詠み、いつからともなく「松島や ああ松島や 松島や」になったといわれてます。が、謎につつまれたままのようです。
双観山(そうかんざん)
松島海岸の南に突き出ている岬の丘の公園展望台からは、塩釜湾と松島湾の双方が望めることから、双観の名前がついてます。遠く牡鹿半島や金華山の向こう側から昇る朝日は素晴しく、荘厳で華麗な美しさです。
西行(さいぎょう)戻しの松公園
僧侶で歌人の西行法師(1118年~1190年)が諸国行脚の折り、松の大木の下で出会った童子と禅問答をして敗れ、松島行きをあきらめたという由来の地。
この公園は、桜の名所で周辺には、およそ260本の桜が植えられていて満開の桜と松島湾の景色を一体化して眺めることができ、他には見られない花見を体験できます。
瑞巌寺石斛(ずいがんじせっこく )
瑞巌寺中門前の老杉の地上20メートル位の杉枝に直径60-70cmの球状になって咲くピンクの花。
臥龍梅(がりゅうばい)
また、 瑞巌寺境内にある淡紅色の梅は、伊達政宗ゆかりの梅。
八重咲きで「臥龍八房」の異称があり、中門より入って左が「白梅」、右が「紅梅」で、伊達政宗が文禄の朝鮮征討の役の際、朝鮮より持ち帰り,慶弔14年に植えさせたと伝えられています。
この紅白の梅は、その姿が「臥せた龍」に似ているところから「臥龍梅」の名称で呼ばれてます。
今回は、日本三景のひとつ松島に焦点をあてましたが、とにかく松島は素晴らしい景色に出会うだけでなく遊覧船からのまじかの島々や美味しい海の幸も堪能できます。
カメラと地図を持って楽しみましょう。