ドイツ発祥の「クアオルト健康ウォーキング」とは
クアオルトとは
クアオルト(Kurort)はドイツ語で、クア(Kur)「治療・療養、保養のための滞在」とオルト(Ort)「場所・地域」という言葉が合わさった言葉で「療養地」という意味の言葉になります。
クアトルは、ドイツの気候を活用して「気候性地形療法」と呼ばれ自然を利用した運動療法のことで、医科学的にも裏付けられた療法です。
心筋梗塞や狭心症のリハビリ、高血圧、骨粗しょう症の治療・予防に用いられ、ドイツでは医師の処方により公的な医療保険にも適用されています。
この運動療法を取り入れ、日本向けにアレンジし日本仕様としたのが「クアトル健康ウォーキング」です。
ドイツ人はよく歩く
ドイツでは、「歩くことは呼吸をするのと同じ」と良く言われます。
そのぐらいよく歩く民族です。
また、ドイツは休暇大国で、1年のうち約150日も休みがあります。
しかも、有給休暇の取得率はほぼ100%と言われ、1年間の平均労働時間は1386時間で、日本人の1644時間の比べるとドイツの方が約260時間も労働時間が少ないのです。
少ない労働時間ではありますが、労働生産性は日本の1時間あたりの労働生産性49.5ドルよりも高くドイツは76.0ドルです。驚きますね、
ドイツの気候整地形療法の特徴のひとつは、自分に合った体力に合わせた運動リスクの少ないウォーキングで、運動負荷を心拍数で把握しながら歩くのがポイントです。
目標の心拍数は、160ー年齢で、理想の運動負荷は55〜60%程度で全力の半分を少し超えた程度の強さで、苦しさが少ないものです。これは体感的にやや、きついかなというところになります。
専門のガイドが同行し、コースの途中で心拍数や体温を計測し、参加者をサポートしながらアップダウンのあるウォーキングコースを歩いて行きます。
さらに、もうひとつのポイントは、ウォーキングする時の気候(気温や風)を活用とした運動中の汗を蒸発させ、やや冷たいと感じる服装で行うと倍近い運動効果(持久力)が高まるというドイツでの医学的なエビデンスに基づいた方法を取り入れています。
ドイツでは、心筋梗塞や狭心症のリハビリ、高血圧、骨粗しょう症などの治療に活用されています。
日本の活動としては、現在、クアオルト健康ウォーキングの基本となる「クアの道(健康の道)」のコースは、日本クアオルト研究所が調査、設計、認定し、全国で69コース以上あり、林野庁などが後押しをし、徐々に全国に広まりつつあります。
また、厚生労働省が「標準的な検診・保健指導プログラム(平成30年度版)」の中で宿泊型新保健指導(スマート・ライフ・ステイ)のモデルプランとして紹介されています。
詳しくは 厚生労働省
専門のガイドとともにグループで歩くことは、会話が生まれ、コミュニケーションが活発になり、メンタルヘルスの改善にもつながるという検証もされています。
東京都の医療従事者の約16万人が加入する東京都医業健康保険組合で、クアオルト健康ウォーキングが採用され、コロナ禍で最前線で闘う医療従事者に対し、免疫力の維持や精神的なリフレッシュが期待できることを評価され、さらに多方面から注目されています。
現代はコロナ禍の影響もあり、自粛や制限を守りながらの生活で、いわゆる家にこもりがちでストレスを抱えながらお腹の周りや足腰の衰えを感じてしまいます。
コロナ禍が続き、心も体も疲れている今こそ、森の中で太陽の光を浴びウォーキングを取り入れ、足腰の強化と免疫力の維持、ストレスに向き合う生活を取り入れてみてはいかがでしょう。