人間と協働できる弱いロボット
テクノロジーの発展は、IoTやAI、ロボットの新規な革新的技術が進展し経済社会や私たちの生活に大きな影響をあたえている。
Society 5.0
Society 5.0とは、「サイバー空間の積極的な利活用を中心とした取組を通して、新しい価値やサービスが次々と創出され、人々に豊かさをもたらす、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く人類史上5番目の社会」とされている。
日本の少子高齢化が進み個人が活き活きと暮らせる豊かな社会を実現するために、、IoTの普及などにみられるシステム化やネットワーク化の取組、ものづくり分野だけでなく、様々な分野に広げ、経済成長や健康長寿社会の形成等につなげることが重要である。
引用:内閣府
と Society 5.0(超スマート社会)の実現を目指した取り組みを打ちだしている。
ロボットとの協働
私たちは、このデジタル社会の中でロボットと共生できているのだろうか。
また、「テレワーク」をはじめ「働き方改革」として将来の展望を心配する向きもかなり多いのではないかと思われます。
自動運転技術やドローンを使った輸送、自動の保管作業、自動のフォークリフトなど「自動」の文字が踊っています。
Society 5.0では、時間や空間に縛られない自分自身にあった働き方を推進しているが、いったい自分に合った仕事とは何かをつかむのさえ難しいのに、未知数であるロボットとの共生が推進されている。
ロボットと協働してといっても、どのようにコミュニケーションを取るというのだろう。
それでなくても自動車の交通渋滞や鉄道の故障などで、遅延したり運休になるとイライラしてしまうのに、自動運転を信用できるのか心配している人も多いのではないでしょうか。
弱いロボット
今までのデジタルの進化だけを掲げてきた考え方に、人間とロボットの摩擦や疑念に対し、ロボットの逆説的な「機械があえて弱さをさらけ出せば、人が機械を助けてあげようと動き、人と機械が上手く協働できる社会になるのではないか」と考え開発されたのが「弱いロボット」です。
引用:豊橋技術科学大学のインタラクションデザイン研究室(ICD-LAB)
この、弱いロボットを開発したのは、豊橋技術科学大学のインタラクションデザイン研究室(ICD-LAB)です。
この発想のロボットの種類はさまざまで、そのひとつのユニークな自分でゴミが拾えない「ゴミ箱ロボット」があります。
ゴミ箱ロボット
ごみ箱ロボットは、落ちているごみを拾いたそうにしながら、よたよたと動く。
すると、周りにいた人たちが、その行動をみて「ごみを入れてほしいのだろう」と察し、ロボットにごみを入れる。
自分ではゴミを拾えないものの、周りの人たちの手助けを上手に引き出しながら、結果 としてゴミを拾い集めてしまうという頼りないロボットなのです。
ごみ箱ロボットは、ごみを入れてもらうと少し傾き、お礼をするような仕草をする。人間は、「ロボットの助けになれた」と嬉しく感じる。
ポケボー(ポケットに入れられる骨)
ポケットのなかでキョロキョロしながら、まわりの様⼦をうかがう…。〈ポケボー〉は、⼈と⼀緒に関⼼を共 有しながら街のなかを歩くモバイルなロボットです。
コラム
外殻を変形させ重⼼の偏りを⽣み出し転がろうとするも…。
転がりながら移動しようとするも、なかなか思うように動けない。〈コラム〉は、⾝体に備わる「もどかし さ」を媒介として、まわりの⼈たちの応援や協調を引き出してしまうロボットです。
トコボー
「こっちで、いいの︖」
〈トコボー〉は、お互いに相⼿のことを気に掛けながら、⼀緒に並んで歩くだけロボットです。
ルーモス
ランプのようで、ただのランプではない…。
〈ルーモス〉は、ソーシャルに関わればソーシャルにふるまい、モノとして扱えばモノになる…、そうした他 との関係論的な存在を⽬指したランプ型のクリーチャです。
トーキング・ボーンズ
「えーと、なんだっけ︖」「しっ、しばかりじゃなくて」「えーと…」
昔ばなしを語ろうとするも、ときどき⼤切な⾔葉をモノ忘れ…。〈トーキング・ボーンズ〉は、⼦どもたちに ストーリの⼀部を補ってもらいながら、⼀緒になって昔ばなしを語り聞かせてくれるロボットです
チューボー
「もうちょっと︕」と、思わずまわりの声援を引き出してしまう…。
〈チューボー〉は、⼈の奏でたメロディーに合わせて〈からだ〉をヒョコッと伸ばしながら、その歌を懸命に マネしようとするタマゴ型ロボットです。
チューボー
ペラット
ただ部屋のなかをふらふらとさまようだけ…。
倒れそうで倒れない、そのおぼつかない振る舞いに目が離せない。いまにも倒れそうな動きに、思わず手を差 し伸べてしまう…。〈ペラット〉は、なにも役に立そうもないけれど、どこか放っておけない、そんなプリ ミティブな身体を備えたロボットです。
などなど、豊橋技術科学大学のインタラクションデザイン研究室(ICD-LAB)から抜粋しました。
この他にも、まだありますよ。
人間もロボットも完璧ではないから。できれば協働することが大事で癒されることを期待しましょう。