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撮影に成功 天の川銀河の巨大ブラックホールとは

僕たちが住んでいる地球は天の川銀河の端に位置しています。

そんな、天の川の中心にある巨大ブラックホールの輪郭の撮影に日本も参加する国際研究グループの「EHT」(エベント・ホライズン・テレスコープ)が成功しました。

たまたま先日購入した「宇宙の軌跡を化学する」という書籍にブラックホールのことが記されていました。

この書籍の著者は、まさにEHTの日本の代表を務める国立天文台水沢 VLBI 観測所所長の本間希樹教授です。

VLBIとは

VLBIとは、Very Long Baseline Interferometry の頭文字をとったもので、日本語では超長基線電波干渉法と呼ぶ。とっても遠くにある天体(星)が出す電波を地球上のアンテナでキャッチする。2つのアンテナが電波をキャッチする時間の違いを測ることで、なんと数千kmも離れたアンテナの距離を、数mmの正確さで測ることができる、すごい測量技術なんです。

引用:国土地理院

僕たちが住む太陽系は天の川銀河の端っこに位置しています。
天の川銀河と太陽系とは

  • 一般的な渦巻銀河で普通よりやや大きめのタイプ。
  • 円盤部分の直径は約10万光年
  • この中を太陽系はぐるぐると回っています。
    その回転している速度は約秒速240kmです。これは、新幹線のもつ速度の3600倍というとてつもない速度です。
    とてつもない速度ですが、その速さを持ってしても銀河の中をぐるり一周するには、なんと2億年という膨大な時間がかかります。

  • 僕たちが住む太陽系は、天の川銀河の中心から2万5000光年ほど遠く離れた場所に位置し、言わば天野川銀河の中では片田舎といえます。
  • 天の川銀河の中にある恒星は、少なく見ても2000億個あると言われている。
天の川銀河

どの数字を見ても膨大な数字で、まさしく天文学的数字ですね。ピンときません。

巨大ブラックホールを捉えた

今回、天の川銀河の中心にある「いて座A(エー)*(スター)」と呼ばれる地球から約2万7000光年離れているブラックホールの撮影に成功した。

天の川銀河の中心に存在する巨大ブラックホールが存在することを視覚的に捉えたことは初めてで銀河の成り立ちや形作られた経緯などを解明する重要な手がかりになるとされ注目されている。

EHTの研究チームは2017年4月にチリやハワイ、南極など6ヶ所で8つの電波望遠鏡を連動させていて座A*と、地球から約5500万光年離れた銀河「M87]のブラックホールを観測している。

そして2019年4月にM87のブラックホールの画像を発表し、今回の発表は2例目になる。

M87のブラックホールの質量は太陽の約65億倍にも及びます。

ところでブラックホールについてあなたはどんなイメージを持ってますか。

僕は、重力が強くて、真っ暗で、なんでも吸い込んでしまう穴のようなものと思ってました。

ブラックホールの特徴

  • 重力が強い
  • 真っ黒
  • 宇宙で一番早い””さえも吸い込んでしまう
    1秒間に30万kmの速さで、地球を7週半してしまう
  • 1度飲み込んだら2度と出られない
  • 地球の地表のようなものを持っていない
  • 事象の地平面」と呼ばれる、一度入ったら抜け出せなくなる場所で、球状形の真空地帯です。

なんとも、現実離れした世界ですね、まるでSF映画の世界のようです。
本間教授は、こんな不思議な世界だから、解明不能な天体だからこそ教授を含め世界の天文学者がひしめいているとのことです。

今回の観測の成果は、EHT(イベント・ホライズン・テレスコープ)が世界中から集まった研究者たちの数十年にわたる観測的・技術的・理論的な取り組みの賜物と語ってます。

電波望遠鏡と高度な技術

  • チリ(APEX)(アルマ望遠鏡)
  • スペイン(IRAM30m望遠鏡)
  • 米国ハワイ(ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡)(サブミリ波干渉計)
  • メキシコ(アルフォンソ・セラノ大型ミリ波望遠鏡)
  • 米国アリゾナ(サブミリ望遠鏡)
  • 南極(南極点望遠鏡)
EHT望遠鏡配置

この電子望遠鏡をアップグレードして結合し超長基線電波干渉計(Very Long Baseline Interferometry: VLBI)という仕組みを用いています。

世界中に散らばる望遠鏡を同期させ、地球の自転を利用することで、地球サイズの望遠鏡を構成します。

今回、EHTが観測したのは、波長1.3mmの電波でした。VLBIにより解像度20マイクロ秒角という極めて高い解像度を実現できました。これは、人間の視力300万に相当し、月面に置いたゴルフボールが見えるほどです。

これにより得られた、生データの合計数はペタバイト(1125兆8999億バイト)で、ドイツとマサチューセッツ工科大学にある専用のスーパーコンピュータで処理されました。

そして今回、「ブラックホール・シャドー」が映し出されたのです。

ブラックホール NAOJより

すごいですね。すごいとしか言いようがありません。

今回はこの観測結果に非常に興味を持ちました。奥が深く、とても、すべてをお伝えすることはかないませんが、少しでも分かりやすく、さわりだけをお伝えしました。

次回は、もう少しつっこんでお伝えすることができればと思っています。

参考:宇宙の軌跡を科学する(本間稀樹著)、NHKNAOJ


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