夢違観音! 悪い夢をいい夢に変えてくれるって知ってました
夢は上代語
上代(じょうだい)とは日本史の時代区分のひとつで、一般的には、古代のうちで日本の文献が残されている時代。
飛鳥時代後期~奈良時代を指す。
誰でも夢は見ます。
睡眠中にまるで現実のような経験を感じる幻覚。
たいがいは、視覚像として現れることが多い。
聴覚、触覚、味覚などを伴う事もある。
睡眠中にそれが夢だとは気づかないことが大半で目覚めた後にそれが夢だったと意識されるようになる
目覚めても忘れている場合もあるようです。
非現実的な内容な夢が多いようで、夢見ている本人は切迫した現実性を帯びている。
現代人は、強靭な精神を持っているかのようですが、意外ともろい一面を持っている。
13日の金曜日で、仏滅の時は結婚式がまったく少ないという。
しかし、田舎の人は仏滅を気にするが、13日の金曜日は気にならない。
13日の金曜日と仏滅の両方を気にする人は都会の知識人がはるかに多いそうです。
古代人にとっては、夢ははるかに真実性をもって日常の生活にかかわっていた。
睡眠中に肉体から抜け出した魂が実際に経験したことがらが夢として現れるという考えが、あたり
まえだった。
夢を見たその良しあしが、これからの人生に大きな暗示を与えてきた。
「今朝の夢見が悪かったからだ」と考える古代人にとって夢ほど正確な判断を与える尺度になるものは
なかった、ともいえる。
「苦しい時の神頼み」とでもいうのか、心配事があるときは神仏に頼ろうとするのは古代人も現代人も
ある意味一緒かもしれない。
また、夢は神からのお告げである、という考え方は世界中に見られる傾向です。
夢の種類
夢は人によってさまざまであり、
- 前兆:なにかが起こる前触れ
- 吉兆:よいことが起こる前触れ
- 象徴:抽象的概念を具体的な物事や形に表現すること
を示すものと種類も豊富にある。
宗教体験の極致を示すものとして、高僧の夢告(神仏が夢において何らかの意思を示し告げること)が、よく知られている。
法然上人の回心(誤った心を改めて仏道に帰依する事)が決定したのも、善導大師との夢のお告げであったとされ、夢の持つ意義は大きかった。
民衆は、夢を判断しては一喜一憂を抱いていた。
だからこそ、夢が凶と出たら、それを何とか吉に変えてもらおうとした。
悪夢を見たとき、おまじないをして災いから逃れようとしたその素朴な祈り、それを「夢違え」と呼んできた。
国宝「夢違え観音」
悪い夢を見たときに この観音様にお願いをするといい夢に取り替えてくれる
夢違え観音と声に出して言うだけでほっとします。
わずか二尺八寸余の小像であるが古来世人の恭敬愛慕絶ゆる事なく悪夢を善無とかえてくださる御仏として礼拝されて来たという。
そういう伝説に値する美が確かにある。
この像には既に大陸の影響が十分に消化せられて、日本美独特のものが備わっているが、前に述べた清らかさ、高さ、精神至上、節度というようなものに加え、更に疑念なき人なつこさの美がある。
これが大和民族の本能から来ているところに意味がある。
こういう清らかな人なつこさは世界の美の源泉中に類が無い。
そしてまたこの美は世界に一つの新らしい美を開く。
出典:彫刻家・詩人 高村光太郎 「美について」より
この聖観音様は何びとからの願いをやさしさと慈悲をもって叶えてあげたことだろうか。
奈良県・斑鳩の法隆寺に安置されている。
像高:87.3㎝
白鷗時代の代表作、国宝
参考:Wikipedia、日本の宝物殿、夢違観音、IROIRO、仏像入門(石上善應著)