ご存じですか先祖代々伝わっている家紋とは
最近は、すっかり見ることがなくなった「家紋」ですが、あなたの家の家紋はご存じでしょうか。
家紋は、自分の先祖代々伝わる家の紋のこと。
今流でいうと、家のトレードマークでしょうか。
日本の家紋の研究家によると家紋の数は2万5千以上と言われています。
日本最大の家紋事典の『日本家紋総鑑(千鹿野 茂/著・角川書店・1993年平成5年)』では、家紋掲載数が約2万記載されています。
その家紋ひとつで、生まれた地域や武将の流れなのか豪商なのかもわかるようです。
家紋は、家系・家柄・血統・地位など、自分の祖先を表したものです。
家紋が用いられるようになったのは、今から900年前の平安時代末期のことで、公家たちが自分の持物をわかるようにと衣服や調度品、牛舎などに美しい文様をつけたのがはじまりとされています。
戦をする武士にとって家紋は「敵か味方かを見分ける目印」として使われるようになり、戦場で掲げる「幟・のぼり」には大きく家紋が描かれ、遠くからでも認識できるようにと、シンプルなデザインだが、特徴のある家紋が好まれ、それが現代の形へとつながったと言われています。
江戸時代になると「家をあらわすしるし」として使われ、身分に関係なく家紋が入った紋付に袴姿が正装となり広く普及した。
いまや、結婚式の「紋付き袴」を着ることで、これが自分の祖先からの家紋かと認識したり、お墓の墓石に刻まれた家紋を見てなるほどと思ったりする程度ですね。
ところで、僕の家に代々伝わる家紋は「剣片喰(けんかたばみ)」といいます。
母親がたまに日本刺繡をしていて、頼まれて縫っていたときに教えてもらいました。
「剣片喰」由来
剣片喰の「片喰」は多年草のカタバミの葉をかたどった家紋。夜に葉を閉じた姿が葉が食いちぎられたように見えることから「片喰」と名付けられた。
雑草として踏まれても枯れない力強い生命力から家紋として用いられ、もっとも歴史のある家紋の一つです。引用:家紋のいろは
「雑草だけれども、踏まれても踏まれても力強く生き抜く」ということなのでしょうか、なかなか重みのある家紋だったんだと、初めて知りました。
この家紋から、字が読めない時代の僕の祖先の人たちは、家紋を見て納得し、肝に銘じて頑張ったのでしょう。
「日本の10大家紋」
「日本の10大家紋」は数多い家紋のうち、広く用いられ、また、図柄も多いことなどから呼ばれている物です。
- 柏紋(かしわもん)
- 片喰紋(かたばみもん)
- 桐紋(きりもん)
- 鷹の羽紋(たかのはもん)
- 橘紋(たちばなもん)
- 蔦紋(つたもん)
- 藤紋(ふじもん)
- 茗荷紋(みょうがもん)
- 木瓜紋(もっこうもん)
- 沢瀉紋(おだかもん)
という通説としてあります。
テレビドラマで有名な番組の「水戸黄門」のラスト近くの大立ち回りの後のクライマックスを迎えると、「この紋所が目に入らぬか」と大見えを切り、悪人一味に対し徳川家の家紋の三つ葉葵が記された印籠をかざします。
たったひとつの家紋を掲げることによって、たちまち黄門さまの身分(徳川御三家のひとつ)が明かされ、悪人どもが驚愕して土下座し、ひれ伏すシーンは印象的ですね。
ご先祖様のおかげで今の自分が存在しています。
家の歴史をつないでこられた先人に感謝し、家紋を見る機会があったら家の長い歴史に思いの糸を手繰りしてみてはいかがでしょうか。