古来から日本のほんとの「幸せ色」
以前に日本伝統色のことを掲載しました。
日本人が彩り鮮やかであったり、しっぽりと薄い白色に包まれた世界を感じたりしながら四季を通じて磨きあげられた美意識の中から日本独特の情緒を取り入れた伝統色のことです。
古来の「色」とは光の濃淡のことを指していました。
たとえば「赤」という色は明=明かしと呼んでいたことから赤が生まれ、「白」は顕し(しろし)がもともとです。
日本の感性
さらに、光は影から作られていたと考えたところに「おかげさま」の言葉が生まれました。
日の射すことのないところでも神様は土の中から、私たちを見守り続けて助けてくれています。
日本独特の風土が生んでくれた感性ですね。
また、雨や風、雲、雪などの自然現象の呼び名はたくさんあり、地域性も豊かでなんといっても日本的です。
雨の文字がついた言葉
雨がついた言葉は圧倒的です。例えば
- 時雨(しぐれ)
- 秋微雨(あきついり)
- 淫雨(長雨)(いんう)
- 雲雨(うんう)
- 青梅雨(あおつゆ)
- 青葉雨(あおばあめ)
- 秋微雨(あきこさめ)
- 雨水(うすい)
- 菜種梅雨(なたねづゆ)
- 五月雨(さみだれ
- 喜雨(きう)
- 虎が雨(とらがあめ)
などなど、書ききれません。
なんと情緒ある言葉
翠雨(すいう)という言葉があります。青葉をぬらして降る雨のこと。 日ごとに緑が濃くなる若葉を濡らし清々しい輝きを与える。
その趣を感じて見る人により心の働きも千差万別で、「青時雨・あおしぐれ」「小糠雨・こぬかあめ」と表す人もいるでしょう。
この言葉の文字も綺麗で美しいし、普段使いはあまり聞き慣れませんが、実に、耳に残る響きを持った言葉で心地よいです。
古く「幸せ」という概念を持たなかった頃、人は毎日が平穏に暮らしていたのではないだろうかと推測されています。
また、「貧しい」という概念もなかったものと思われます。
それが近代では、「アイデンティティ」などという、はっきり概念を持たない言葉の確立に躍起になってきているように思います。
アイデンティティを辞書で調べてみると
- 「自分は自分であると自覚すること」
- 「連続性のある自己認識を持つこと」
- 「自分の価値を他者に認められること」
などを意味する表現で、わかりやすく言えば、自分が何者であるのかを認識して他者と区別できる状態であることをいう。日本語では「同一性」と訳されることが多い。
引用:実用日本語表現辞典より
なんだか余計にわからなくなってしまうようで、もっと、シンプルに光と影、明るさと暗さなど、深みのある日本人に合う言い方で良いと思います。
ほんとの「幸せ」
「幸せ」は個々の考え方一つで変わるものと言われます。なんの変哲も無い今日の朝の目覚め、洗濯されたシャツに腕を通し炊き立てのご飯を味わい出掛けに「行ってらっしゃい」と元気づけられる送り言葉に気合が入る。外に出れば青空や雲、時には雨が歓迎してくれます。
そんな普段の1日に幸せを感じます。特別な記念日も大切ですが、何気ない1日がどんなに大切なことなのか、今日の一日、今日の空はどんな感じに映りますか。
参考:RAINSTYLE