パソコン入力ではない「手書き入力」のメリット
電車に乗ると8割から9割の人たちがスマートホンを見てますね。
それほどまでに緊急なやり取りが必要なのかと、気になって画面をチラ見してみるとなんとゲームだったり動画を見たりしている人が少なくありません。
耳にイヤホンをつけて、携帯に夢中になっている姿を情けなく思うのは少数派でしょうか。
さて、現在は小学校でもタブレット端末やノートパソコンを使って授業をしたりしてます。
すると、ノートにメモする。字を書くことが少なくなりアメリカでは標準カリキュラムの一環として学校で筆記体の読み書きを教えられていました。しかし、2010 年以降、Common Core 基準により公立学校からこの要件が削除されました。
手書きの復活
Common Core とは幼稚園から高校三年生までの英語圏での国語と算数の教育基準です。
アメリカの子どもたちは日本の子どもたちと同様に、アルファベットとそれぞれの音をなんども繰り返し書いたり、声に出したりしながら学び、そしてゆっくり1つ1つの音を組み合わせて単語を学んでいきます。そして、雑誌や絵本などを読んでリーディングを学びます。
キーボードで考えやメモを入力するほうが速くて便利だと感じますが、手書きには下記の様にたくさんのメリットがあり、それを見直されて各州の学校で筆記体の指導を再導入し復活しています。
手書きのメリット
- 理解力が高まり学習が向上する
心理科学協会の調査によると、ラップトップやタブレット、ノートパソコンではなく手書きでメモをとる方が理解力が高まるそうです。
研究によると「ラップトップでノートを取る人は、情報を処理して自分の言葉で再構成するのではなく、講義をそのまま書き写す傾向があり、学習に悪影響を及ぼしている」という。 - 筆記体と脳の成長
「読みやすい筆記体を書くには、指の細かい運動制御が必要である」「注意を払い、何をどのようにやっているのかを考えなければなりません。練習しなければなりません。」
脳画像研究は、筆記体がキーボード入力に関与しない脳の領域を活性化することを示しています。 - 失読症のサポートとして
ペンで書かれたエッセイは、量、速度、文章の完成度の点で、コンピュータで入力されたエッセイよりも優れていることがわかっています。
アカデミックセラピストのデボラ・スピア氏は、「筆記体のすべての文字はベースラインから始まり、ペンが左から右に滑らかに動くため、単語を正しく構成するのが難しい失読症の生徒にとって筆記体の方が学びやすい」と述べています。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、手で書くことは細かい運動能力と記憶力を鍛える認知トレーニングであり、老化した脳に特に役立つといってます。
- 目標達成のツール
文章を書くとき、私たちは経験から知識を収集し、現在の認識、行動、アイデア、感情を方向づけるのに役立つ、組織的な思考を行っています。このプロセスによって目的と重要性が説明され、その結果、ポジティブな感情が高まり、本質的な目標に向かって前進することができます。
手書き文字の専門家で筆跡学者のマーク・サイファー博士は、脳を再訓練して望ましい状態に達するために一日に何度も心地よい文章を書く「筆跡療法」など、書くことの治療効果を強調している。 - 意図を表現するツール
紙に文字を作成する際に意図性を保つことは、手書きの重要な側面ですが、デバイスに入力していると失われます。自動化が進む世界では、紙に考えたり書いたりすることで触覚が得られ、思考の集中に役立ちます。自動修正ツール、文法的な提案、思考を導く人工知能はありません。必要なのは、ペンと紙とあなただけです。
便利な世の中ではありますが、このように字を書くことで脳の活性化や記憶力をつけること想像や思考の集中にも役立ちます。
積極的にペンを持ち、できるだけ書くことに意識を持ちましょう。
参考:Optimist Daily、